昭和43年、
明治座での
デビュー五周年記念
舟木一夫七月特別公演
のパンフレットから
5年目のひとりごと
舟木一夫
を載せさせていただきましたら、
他の方々のも、是非と、
リクエストいただきましたので、
少しずつ転記してみたいと思います。
この明治座の公演は、
昭和42年、第一回目の
「維新の若人」
「春高楼の花の宴」
ヒットパレード「星の広場に集まれ」
に続いて第二回目
その後
昭和48年の
第七回目
「沖田総司」
「われ永遠に緑なる」
まで続きます。
今回は、
楽しみな人
伊志井 寛
舟木君が去年にひきつづいてこの明治座で奮闘公演をやる。相手役は去年と同じ光本幸子であってみれば彼が浮気者でないことがわかる。英父娘やわたしの他新派の若い連中又歌舞伎の方も同じく好太郎親子に市蔵君とこれ又若手連を昨年同様、それに加えて今年は柳沢真一、南利明の両君の顔も見え旭輝子、梅沢昇、勝部演之の諸君、大内剣友会の猛者連、又、ヒットパレードの方では、チャーリー脇野の皆さんに玉置宏君、「うまい人ですョ」と舟木君が私に言ふ菅原都々子さん。
芝居の方は去年「新撰組」を書いた村上元三先生が舟木一夫のファンとはどんな人達かと去年しみじみ見きわめた上で書いた「喧嘩鳶」つまり野狐三次のお話、昼は漱石の「坊ちゃん」を小野田さんが舟木ならではの面白いものに書いてくれている。
去年は稽古中のある日舟木君がひどく疲労してまるまる一日休んだことがあり、無事に初日が開くかと、ひそかに案じていたが翌日からモリモリ元気を取り戻し、日一日と楽しく明るい舞台をつくり上げ千秋楽まで裏も表も和気藹々の裡に千秋楽を迎えたのでしたがあの頑張と精神力には嘘もかくしもなく感銘した。今時の若い者などと言ったら、古いぞと来るかも知れないが、全く今時の若い者である舟木一夫は殊に生真面目な人柄であり一見冷静のもののやうに見えるが、時には、奇想天外な思ひつきあり、洒落あり、ギャグあり、人々の度肝をぬく。いえば時に臨んで奇智あふれる才能と愛嬌の持ち主である。いまや高校生の歌から出発し今日日本一の歌手になったなんてものではない。しかしモシこれからも芝居に進む気持ちがあるのなら、役づくりの上にも舞台上の拘束にも又、一段の苦心、修練が必要であることは言ふまでもない。芸を以って世に処する人としては、幾多の天分を授かっている数少ない一人であることに間違ひない、
私は舟木一夫にいよいよ大きな楽しみをもつものである。
(一九六八、七)
句読点、行変え、漢字等は原文のまま
転記させていただきました。
久々に読んでビックリです。
あまりに素晴らしい内容で![びっくり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/014.png)
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伊志井寛さんの目に映った
舟木一夫という人物も、
今と全く変わらない舟木一夫
なのですね![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/006.png)
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最近の千秋楽に見る舟木さんをも、
伊志井寛さんは、しっかり捉えて
いらっしゃいます![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
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伊志井寛さんの文章の中に
書かれている方々です。
凄い方たちばかりで、驚きます![びっくり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/014.png)
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