企業だけじゃない!私たち消費者も安心!PL保険 | FP阿部理恵の「お金の知識ないと生き残れないよ」

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*マネーゴーランドが廃止になったようなので、元原稿を掲載しています。

 

 

一般消費者には聞き慣れないかもしれませんが、生産物賠償責任保険(通称PL保険)という保険があります。

我々一般消費者が購入する様々な製品が不幸にして事故を起こし、ケガなどの損害を与えた場合、製造側は賠償しなければいけません。そのための保険です。

 

個人が加入することはありませんし、もちろん製造者が保険に入っていないからといって、損害賠償を請求してはいけないということはないのですが、知識として知っておくと便利なのでご紹介しておきます。

 

 

1.PL保険とは

 

今から約20年前にPL法という法律が施行されました。それまでは、製品で損害を被っても、被害者側が製造者側の過失を証明しなければいけなかったのでなかなか訴えることができなかったのですが、この法律の施行により、製造者に責任がなくても、製品に欠陥があれば責任を負わなければいけなくなりました。その対策のための保険です。

 

そのため、保険に加入するのは製品を作っている製造者や、売っている販売者(輸入品の販売業者も含む)、業務を行っている業者などになります。

 

 

 

2.対象となるケース

 

例えば、

 *レストランで食事をして、食中毒を起こし入院した

 *テレビが発火してケガをした

 *水道菅の工事が不十分で、水漏れを起こした

など、製品・業務が原因で、身体・財物に生じた損害が対象となります。

通常、ケガで入院・通院をした場合、治療費・休業損害・慰謝料を請求できますが、これらが保険の対象となるということです。

 

逆に、欠陥商品そのものや、それを回収する費用は対象外です。

 

 

3.海外では

 

通常、われわれは日本国内で生活し、日本国内で販売されている製品を使っていますが、海外の場合はどうでしょうか。

 

海外PL保険に加入している場合、海外に輸出された製品による損害も対象となります。

例えば、海外で生活することになって電気製品を買うことになり、なじみの日本のメーカーのものを買ったら、それで事故が起こった、という場合も保険の対象となります。

 

 

 

製造者・販売者がPL保険にも加入していても、この保険に入っていることをPRすることが禁止されているため、なかなか消費者にはわかりづらくなっているのが難点ですが、製造者側もこのように万が一に備えています。

一般消費者としては、信用のおける製造者・販売者から購入することを心がけておけばいざというときも安心です。

 

(2016年2月掲載)

http://money-goround.jp/article/2016/02/22/1509.html