価値観


あなたとは価値観が合うの


ワインを片手に思わせぶりなセリフ



価値観?


合う?


君は


皆何か誤解してないか



価値観て


合う合わないじゃない


価値観というラインが交差している


そういう部分があるだけだ



価値観なんて


広大な海のように


深遠で画一的なものじゃない



一つとして


同じ波が来ないように


価値観は常に変異している



それは時間という


この世の摂理が生み出す


複雑怪奇な現象で


君の言う価値観とは



単なる言語の近似値でしかない


言葉が点である以上



それを越えた価値観の


交差点はない

鍵を返して


いつか君に預けた


宝箱の鍵を



もう開けてもいいだろう


大切にしまっておいた宝物



砕け散った僕の心を


もう一度



元の形に戻したい


あの頃詰めた


思い出を取り出して



ねえ鍵を返して


僕の閉ざした心を


開く鍵を

走っても


走っても


追いかけてくる


黒い影



追いつかれて


視界が閉ざされる



目の前は


幽玄な暗闇



逃げても


それは追い続け


決して逃れることは適わない



罪悪感


そう呼ばれてる



逃げては駄目だ


それは逃げれば逃げるほど


深く深く


根を下ろし



心を喰い尽す




振り返らず


歩み続ける


君の背中



神々しく


華やかな君の背中



今はもう


その面影はない



等身大の


君の背中


肩肘張って生きてたんだね



君の背中は



これから何を纏い



何を伝えていくの



等身大の君のその背中も


輝いてるよ

洗いたてのシャツに


お気に入りのジーンズ


肩で風を切って


街を歩く



あの角を曲がって


上り坂を駆け上がる



次の角には古びた楽器屋があって


自販機でいつものコーヒーを買う


フラッシュバック



僕は今はスーツに身を包んで


哀しい日々を消化してる



あの頃に帰りたい


そう思う度


いつも隣に居た君を思い出す



抜け出したい


古びたセピア色の思い出から


昔の街の面影から



フラッシュバック


あの頃よりも


輝いていたい





大衆意識


逸脱すれば


顰蹙を買い


奇異なものを見る眼差しを得る



自分たちが引いた


ルールの中で


仲良しこよし



大人になってもまだ続けるのか


アホくさい大衆意識の共有を

君に贈る


僕の想いの欠片


散らばる心を


ひとつの形に



それは宛先不明の手紙のように


届かずに


宙を舞う



それでも


届かぬ手紙は誰かの眼に



見て欲しい


そう願う


届かぬ手紙もきっと


誰かの心に



君に贈る


センテンス


それは僕の欠片

瞼を閉じる


繰り返し繰り返し



それは人間の動きの中で


もっとも速い動作


瞬き



どうして


そんなに見えないことが


視界が闇に覆われることが


人間にとって恐怖なの



人類は古代から


闇を畏れ


闇に服した



でも真実はそうじゃない


闇は畏れるものじゃない


自分と向き合う場所



瞬きで遮られる


刹那



この世は変わる



瞬きは


その変化を


心に焼き付ける時間



そう



カメラのシャッターのように

歪で小さなキャンバス


薄汚れて描く気も起きない



こんなキャンバスじゃ


描ける画は限られてるよ



透き通るように真っ白で


大きなキャンバスをちょうだい



そこになら


想いを存分に


描くから

シグナルが青に変わる


ほら青だ


急げ



今度は黄色


まだ間に合うかな


走れ



赤に変わるその前に


向こう岸まで


ひた走れ



後ろを振り返ったって


周りを見たって


仕様が無い



俺が辿り着けなきゃ


赤のままだ