きみに届け!
空に大きく手を伸ばした夕暮れ時。
バランスを崩してそのまま草むらに倒れた。
どんなに痛くても涙なんて流さない。
昔から私は“泣く”ということが嫌いだった。
だって、泣いてしまったら、せっかく我慢した痛みを全部思い出してしまうから。
・・消そうと頑張った思い出を、全部きれいに思い出してしまうから。
私は、辛いことを思い出さないように、見える世界を180°変えて生きてきた。
そしたら、どんなにつまらない景色だって、
全部輝いて見えた。
でももう、現実逃避は卒業するの。
分かったことがあるから。
寂れた町も
汚れた川も
人気のない公園も
大きな観覧車も
元に戻った世界は、やっぱりつまらなくて、
きみと過ごした時間を思い出してしまうけど、
前を向かなきゃ何も始まらないんだね。
きみのいたこの町で、
きみとの日々を思い出す。
このつまらない世界。
きみがいたときはどうだったっけ?
なんて、思い出せば切ないことを考えてしまう。
でも、きみがいた世界だもの。
きっと、今も昔も同じように輝いてるよね。