“別れのない出会いなんてない”
誰かがそう言ってたけど、
私はその言葉の切なさをよく知らなかった。
実際に今、私はよくわからない気持ちに心を占領されて、
ただ呆然と立ち尽くしていた。
でも、こんな私にもわかることが一つだけ。
“もう、先輩のあの笑顔が見れない”
それが辛くて、そして何故か恐かった。
あの笑顔が見れなくなるなんて、
私の心から何か一つ欠けるみたいだった。
とても想像出来なくて、あり得なくて、とにかく恐かった。
いつもだらしない先輩のネクタイが、珍しくきちんと締められている。
桜が人を変えてしまったんだ。
ああ。さみしいな。
今日の分の桜が散ったら、きみはここから離れていってしまう。
そしたら私は、どうやって生きて行けばいいんだろう。
私の生きる意味は、全部きみにあったの。
伝えたい。でも、もう終わりが来てしまう。
きみに渡せなかった 最初で最後の恋心。
今、この場所から旅立つきみにばいばい。
私の恋心にばいばい。
そして、ありがとう。
恋心送別会。
“お題bot*さん : 先輩、ネクタイ、送別会,きみに渡せなかった最初で最後の恋心 より”