蒙古との攻防は初めて観ます。『武神』③ | コワれるまで ALLORA

蒙古との攻防は初めて観ます。『武神』③

『武神』
( ムシン )
(2012年)、やっと観終えました。

実に骨太な時代劇ドラマでした。

本作の舞台は、13世紀の高麗時
(コリョ )
代 中期。

私が観てきた高麗を背景にしたドラマというと、右図のようなものでしょうか。

(間違いがあるかも・・・
あーっ、大風水(テ プン ス)(2012年)と 『我が国
( ナウィナラ)
(2019年)を抜かしてしまいました。

今度本図を更新して使う時には、上2作も追加しておかないといけませんね。

高麗の滅亡期は、
()
朝鮮の
(チョソン)
建国史として描かれることが多いと思います。

『大風水』も『我が国』も、高麗末期から朝鮮建国期が時代背景でした。

なので、真正面から蒙古帝
( モンゴル)
国との攻防期を描いたドラ
マって、観たことがありませんでした。

実に30余年にわたるモンゴルとの熾烈な戦いがあって、戦いに疲れた太子(テジャ)チョン(カン・ソンミン)が王となってモンゴルの第5代皇帝クビライ(キム・ミョングク)に土下座なんかしちゃったりして、だから 신의(シヌィ) -信義(神医)-』(2012年)のキ・チョル(奇皇后の兄 演:ユ・オソン)はあんなに威張っていたんですね。

う~ん、今更ながらこのドラマ、観てよかった

本作はかなり史実に忠実とのことです。

だから主人公のキム・ジュン
(キム・ジュヒョク)が
超人的な戦闘を繰り広げる
かというとそうではなく、
文武両道の彼は
都房を
(トバン )
率いる閤下の
(ハッパ )

軍師として、
調査したりとか
提案したりとか、
そんな働きぶり
なのでした。

時代劇ヒーローとしては
むしろ第20話、鉄州城
(チョルチュ)

城主 鉄州防禦使
(パンオサ)
のイ・ウォンジュン
将軍(キム・ジュヨン)や、最後の
攻防戦を前に妻子らを自害させた
防禦
(パンオ)
判官のイ
(パングァン)
・ヒジョク将軍(チェ・ドクムン)など、高麗の正史に記録される英雄らの方が、ドラマの中で輝いています。

あるいは第23話、慈州城
( チャジュ)
に籠城した慈州防禦使のチェ・チュンミョン将軍(イム・ジョンユン)、亀州城
(キジュ )
へ集結した静州
(チョンジュ)
分道
(ブンド)
将軍キム・ギョンソン(キム・チョルギ)。

キム・ギョンソンは猛将の中の猛将です。
チェ・ソンイ(キム・ギュリ)の義弟で、本作の中では後半までキム・ジュンをサポートしていきます。

こういう、高麗史のヒーローたちが何人も描かれるなか、キム・ジュンは司令塔 チェ・ウ閤下(チョン・ボソク)の懐刀として、その名前が知れ渡っていくのです。

そしてなんとなく、誰もが次期閤下ではないか、という目で観るようになっていく・・・という具合。

奴婢
(ノビ)
の身分から一国の最高軍部司令官に、どうやって駆け上がったのだろう。

それが知りたくて本作を観てきたのですが、少しずつ周囲が「彼は国の役に立つ男だ」と感じてきて、それで上り詰めたということでしょうか。

史実って地味ですねぇ



               



主人公キム・ジュンを演じたキム・ジュヒョク씨。
『テロワール』(原題:떼루아(テルア) 2008年)や 『ホジュン 〜伝説の心医〜(原題:亀巖(クアム)(雅号) 허준 (ホジュン)2013年)で渋い演技を魅せてくれました。

彼の消息は映画 くわ 『敵との初恋』(原題:『敵との(チョクックァウィ)同床』(トンチム) 2011年)の項に書いています。


そしてハッパのチェ・ウを演じたチョン・ボソク씨。
私の心が聞こえる?(ネ マウミ トゥルリニ)(2011年)のポン・ヨンギュお父さんとは対極のキャラを演じてくれました。