ドラマ終盤は号泣続き。『龍王〈ヨンワン〉様のご加護』②
『龍王〈ヨンワン〉様のご加護』 (原題
本作は “現代
そのまんま、父親の名
本作のチョンイ(イ・ソヨン) は原作の 『沈清伝』 とは違って実の娘ではなく、過去の事件によって
後
ただ 121話もあるドラマだけに、当然 昔話ほどシンプルな話ではありません。
本作のキャッチフレーズは “怒涛のマクチャンラブストーリー” だとされていたようですが、前半を観ていると、同じ構図の場面風景や全く変化のないカット割り。
海岸端の村 龍王里とソウルとの距離感が全然なく、チョンイの義姉ヨ・ジナ(チョ・アン)は痛めた脚を引きずりながら、龍王里に現れたりソウルに戻ったりしてるなど、何かと設定がユルユル。
前半にコミカルシーンが多く、とんでもねぇシットコム じゃねぇか、と思ったりしました。
ハッキュの鬼妻パン・ドッキ(クム・ボラ) が、自分の夫の名前を隠すために
「 夫の名前はアン・ネサンよ」
と言ったり、アン・ネサンに似ている と言われたハッキュが
「アン・ネサンはもっとダンディだ」
と語るなど、ところどころにお遊びが見え隠れ、です。
本作、最近観たドラマのなかでは、同じく長編ドラマの 『頑張れチャンミ!』 (原題
御曹司とフツーの娘とのラブストーリー、それを妨げる悪女と彼女に盲目的な母親が 嘘に嘘を塗り重ね、主人公らを貶めていく、というあらすじは一緒。
でも本作を観たら、比較対象の 『チャンミ』 のストーリーってよく作り込まれていると感じました。
『ヨンワン様』 はときどき、伏線捨てちゃうし、どうするのか観てるとあっさり殺してしまったり、脚本が少々雑ではないか、と感じます。
『チャンミ』 ではどんなに非情な陰謀であっても、人を殺して解決しようなんて乱暴な展開はしませんでしたが、そこんとこのハードルを 『ヨンワン様』 は超えちゃってます。
そういうところがマクチャンと謳っただけあって、長編とは言ってもホームドラマではなく、ハードなストーリーです。
『チャンミ』 の主人公らがアラサーなのに対し、『ヨンワン様』 はアラフォー。
その分 子どもたちも共演してきて、その子役たちの演技やセリフもたくさん盛り込まれています。
つまり登場人物の年齢層の幅が広く、男女愛ばかりでなく親子愛まで描かれます。
感動の幅が広いと感じます。
悪女ジナが捨てた子が、実はとても身近にいたヨルメ(キム・ドヘ) であることが分かったものの、ジナは自分の欲を優先してわが子をたびたび傷つけます。
ヨルメはジナを 「悪魔のようなお姉さん」 と呼んで嫌うわけですが、それでも二人がわずかに心を寄せ合うシーンが出てきたりして・・・
それが 112話。
112話は神回です。
ジナの凍った心が少し溶けるエピソードに加えて、ハッキュが娘チョンイを実父に帰そうと、心を鬼にし、その後チョンイの幻を見るシーンは号泣ものです。
孝行娘の 『沈清伝』 というだけあって、ハッキュとチョンイの父娘愛には 何度も何度も泣かされました。
イ・ソヨン演じるチョンイは “良い子強い子正しい子” のままですが、チョ・アンが演じるヨ・ジナは、前半の単なる悪女から、ヨルメの存在を知った後は、母と名乗れない自分の “業” の深さに葛藤する側面が加わります。
なので、ドラマ後半になってくると、このジナにちょっとだけ感情移入してしまいます。
そんなジナの向かう先が、あまりに絶望的なのです。
父親からの数多くの慰問の手紙と共に・・・
お腹を痛めた我が子の眼前で、名乗ることもできず・・・
これは残酷。
こんな幕切れにしなくても・・・
例えば 『キム・マンドク 〜美しき伝説の商人~』 (原題:
そう、この 雑で粗っぽい脚本の本作、その大胆な展開ゆえに、終盤はとにかく号泣続きなのです。
121話もある長編ドラマですが、絶対に観て損はないです。
最後に。
こんな人も出ています。
ハッキュの元恋人 マ・ジェラン役のイム・ジウンです。
基本、この人は面白いんです。
『風の絵師』 (原題:
本作では、最初はチュボグループ美術館館長というセレブで鼻高の佇まいでした。
が、すぐにギャグメーカーになりました (^ ^)
この人は現代ドラマだと、こんなユーモラスなキャラになるようです。
でも、視力を失ったハッキュの世話を、ヘルパーを装って行う演技は、とてもキュートでした。
ドラマ 『オレンジ・マーマレード』 (原題:
が、本作は被介護者が盲目なので、漫画のままです。