朝鮮伝統科学の結晶、亀甲船! 『不滅の李舜臣』⑤ | コワれるまで ALLORA

朝鮮伝統科学の結晶、亀甲船! 『不滅の李舜臣』⑤

見どころ、要チェック情報が満載で、書きとめても書きとめてもきりがない、剣 『不滅の(プルミョル )李舜臣』 (原題:불멸의(プルミョルィ) 이 순신 (イ・スンシン)2004年) です。

本項では、当時の朝鮮民族にとって史上最大の、独自文化による建造物、「亀甲船」について書きとめます。

第47話、全羅道(チョルラド)左水使(サスサ) イ・スンシン(キム・ミョンミン)は軍艦(板屋船)の弱点をどう克服するか悩んでいました。

船に敵が乗り込んで来たら、単なる白兵戦になってしまいます。
敵の乗船を防がねばなりません。

するとアイディアマンのナ・デヨン軍官(イ・サンイン)は、「そんなのは簡単。屋根を付ければいい」と進言します。
「屋根に火をつけられたら・・・」

簡単に乗り込めず、燃えない船。

第48話、スンシンと青服将軍に昇進したチョ・スチャン(キム・ホンピョ)は新造船のヒントを得ようと造船に関する文献を読み漁ります。
そして見つけたのが、太宗( テジョン)時代の記録に、軍艦に屋根を取り付けたという「亀船」の記述。

不滅の李舜臣

さっそくナ軍官は模型を作り始めるのでした。

不滅の李舜臣

この軍艦は「亀船」と名付けられました。
近距離戦が得意な倭軍を無力化させ、敵の防御船を倒す突撃船を想定したのでした。




「亀船」は、 ブレスレット九家の書(クガエソ) ~千年に一度の恋~』 (2013年) にも設計図が登場します。

クガエソ

この亀甲船を建造するための大量の銀塊を、イ・スンシン(ユ・ドングン)は隠し部屋に保管していました。




第53話では、「亀船」の建造風景が描かれます。

不滅の李舜臣

不滅の李舜臣


第54話、いよいよ進水式です。

不滅の李舜臣

不滅の李舜臣

しかし、屋根に鉄板を張ったことにより重心が高くなってしまい、復元力が低下。
進水してまもなく、亀船は沈没してしまうのです。
多くの死傷者を出してしまいました。

新しい企画がお披露目で没になってしまったら・・・世の管理職はどうするか。

本作で水軍を鍛え上げる過程は、まるでビジネスマン・ストーリー。
管理職、中間管理職、一般社員やパート社員らによる問題課題にひとつひとつ直面していくという面白さがあります。

イ・スンシンは、再挑戦の道を進みます。

今度は屋根の鉄板を、鉄と銅の合金製にして、屋根の重量を軽くしました。

不滅の李舜臣


そして第56話。
西暦1592年4月12日、戦争勃発の前日、朝鮮水軍最強の突撃船である「亀船」は、進水と砲撃訓練を終え、歴史の前面にその姿を現しました。

朝鮮史における亀船建造の意義は大きいものがあったようです。
亀船は、朝鮮民族の伝統に基づく、科学技術の結晶であり、民族最大の建造物でしたから。

この亀船が、イ・スンシンと部下が生んだ23戦23勝という不敗神話の原動力となった、とナレーションでは語られますが、この船の活躍はもう少し観進まないと出できません。




韓中共同制作スペシャルドラマ 亀船 『壬辰(イムジン)倭乱 1(ウェラン)592』 (2016年)の中では、よりリアルな亀船が描かれます。

壬辰倭乱

突撃船として作られた亀船は、倭軍の安宅船よりもかなり大きいことが分かります。