明宗から宣祖へ『不滅の李舜臣』④武官への道のり。 | コワれるまで ALLORA

明宗から宣祖へ『不滅の李舜臣』④武官への道のり。

剣 『不滅の(プルミョル )李舜臣』 (原題:불멸의(プルミョルィ) 이 순신 (イ・スンシン)2004年)、第17話。

逃亡先の陶房で、スンシン(キム・ミョンミン)は武芸者 南宮斗((ナムグン・ドゥ)チョ・ギョンファン)と、女性ながらの弟子パク・ミジン(キム・ギュリ)と出会います。

やがでミジンとイ・スンシンは慕いあう仲となっていくのでした。

不滅の李舜臣
とはいうものの、罪人(チェイン)の立場のままですが。

この章でも、作陶をメインにした、仲間づくりや成長記が続いて、史実を追うばかりでなく面白いです。

やがて 1556年4月6日、大王大妃であって明宗((ミョンジョン)ホン・リュニ)の後見として垂簾聴政を行った文定大妃(ムンジョンテビ) 尹씨(ユン )、死去。
外戚として権力を握っていた大妃の弟、尹元衡は( ユン・ウォニョン)糾弾されることになり、スンシンを陥れようとしていたウォニョン側の官僚らが一掃。

不滅の李舜臣

同時に、ミョンジョン王がようやく親政を開始。
己卯士禍で(キミョサファ )朝廷から遠ざかってしまった者たちの説得を試み始めるのでした。

すると第22話、中殿で(チュンジョン)る仁順( インスン)王后 沈씨(シム )(イ・カニ)を旗印とする、河城君( ハソングン)(少年期:クァク・チョンウク)を王の後継者に推す勢力が台頭し始めます。
不滅の李舜臣
ハソン君というのは、身体中からキモチワルイ棘みたいなのが生えてくる奇病に罹った人です (だからだからぁ、何のこっちゃ (;^_^A )

とにかく、インスン王后はハソン君の実母ではありませんし、実父は前々王の庶子。
ハソン君は数多い王族の一人に過ぎませんでした。

ところが、インスン王后が何かしたのか しなかったのか、あんまり工作活動をしていないうちに、ミョンジョンは後嗣(こうし)を一人も残さずに崩御。

不滅の李舜臣

1567年、16歳でいきなりハソン君は王になってしまいます。
第14代朝鮮王 宣祖(ソンジョ)です。
不滅の李舜臣
不滅の李舜臣
ここまで、幼いハソン君を教育してきたのが、スンシンの友、ユ・ソンニョン(イ・ジェリョン)。
ソンニョンは己卯士禍で(キミョサファ)、無実の罪により処刑された者たちの名誉回復を進言。
「師の言うことだから」とこれがソンジョ王に受理され、スンシンの祖父は無実となりました。

ま、そんなことで、これまで何話もかけてどん底の苦しみを味わい、視聴者をジリジリさせたイ・スンシンの家系の汚点はあっさり晴れ、全部めでたしめでたしになりました。

そんなことはソンジョ王は知る由もありません。

それよりも、歴代の王たちは全員正妃の腹から出生しています。
庶出の傍系からの即位は朝鮮史上初めてのことであり、それは王という権威の低下を意味しました。

日本は “血” よりも “家” が大事ですが、韓国は “血” が大事なのです。

ゆえにソンジョは引き目を感じつつ、だからこそ名君になろうとしたのです。

もし、ソンジョ即位後 外交面でそのまま平穏な時代が過ぎていれば、彼は名君になったかもしれません。
せいぜい女真族と縄張り争いをしている程度なら。

しかし、倭国では1574年、幕下の羽柴藤吉郎なる一部将が、長浜城を築いて筑前守と名乗り、大名となっているのでした。

倭軍は偵察を兼ねて攻めてきます。
剣で抵抗したミジンは拉致されてしまいました。
不滅の李舜臣
悲しみのなか、スンシンを支えるパン・ヨナ(チェ・ユジョン)と、彼は夫婦となるのでした。

そして第24話、歳月を経た1576年、イ・スンシンは武官となっていました。
ドラマとして面白かった一青年の成長譚はここまでで、これからはいよいよ、武人イ・スンシンの戦いのドラマとなることでしょう。



     剣     剣     剣



少し時間を元に戻して、倭国( ウェグク)の尾張城で、家来衆とともに茶を親しむ織田信長(パク・ヨンロク)。

本作に出てくる着物の紋はひどいです。
シールやワッペンじゃあるまいし・・・

不滅の李舜臣

で、信長は、美濃城攻めで武功のあった木下藤吉郎(イ・ヒョジョン 後の豊臣秀吉)に茶を勧めます。

不滅の李舜臣

本作ドラマでは日本史もうまく取り入れていて、けっこう日本の状況を上手に表現しています。

例えば藤吉郎の紹介では、
「織田信長の草履取( シンバル )りをしていた下男で、清須城の攻略において一介の足軽にもかかわらず手柄を立て、主君の信頼を得た。ついには日本全国を統一。朝鮮支配をも もくろみ、文禄・慶長の役を引き起こす。若い頃から壮大な野心を抱いていた」
と(なかなか正しい)ナレーションが入ります。

不滅の李舜臣