作中に登場する王族たち。『魔女宝鑑』② | コワれるまで ALLORA

作中に登場する王族たち。『魔女宝鑑』②

魔女寶鑑魔女宝鑑 (マニョボガム )~ホジュン、若き日の恋~』 (2016年)、これは異色で面白いドラマです。

フュージョン時代劇なので、あんまり史実にこだわっても仕方ないのですが、せっかく久々の()씨朝鮮時( チョソン )代のドラマに触れているところなので、そのあたりも味わっておきましょう。

まず、ヨニ(キム・セロン)の実の父が、朝鮮第13代王の明宗((ミョンジョン)イ・デビッド)。

魔女宝鑑

あいかわらず世を拗ねたような風貌のイ・デビッド君。
彼は、鬼神 『キスして幽霊!』 (原題:戦おう(サウジャ)、幽霊(鬼神(クィシン) 2016年) では軟弱な学生役でした。

本作で、生まれたばかりのヨニ公主の生命を救ったのは彼でした。

ミョンジョンと言えば すぐにセットで登場するのが、彼よりも遥かにインパクトが強い、彼の母親、烈女の代表格 文定太王后(ムンジョンテワンフ)

魔女宝鑑

演ずるのは、今年4月に鬼籍入りしたキム・ヨンエ。
彼女の 『主上(チュサン)ビックリマーク』 のセリフは、どのドラマで聞いても圧巻ですが、もちろん本作でも健在。


第1話冒頭から、ミョンジョンのセリフ。
「私はもう子供ではありません。母上がこうだから、皆は私のことを形だけの王と笑うんです。この国の王は誰ですか !?
チュサンッ ビックリマーク 私が主上をその座に上げるために、どれだけ努力したかお知りですかっ」


いや~、あまりと言えばあまりの既視感。
もしかすると監督がスタッフに設定だけを伝え、「あとは適当に撮っといて」で済ませても、このシーンは作れるんじゃないか、と思うほど、時代劇の定番口論です。

ここを観たら、「またかよ~。なんかどうでもいいや」 と感じてしまいました。
けど、この後まもなく、星宿庁の(ソンスクチョン)大巫女( テムニョ)ホンジュ(ヨム・ジョンア)が、中殿に(チュンジョン)悪魔祓いのような折檻をして、彼女が石女( うまずめ)だと断定します。
いきなり、陰惨な臭いが漂う本作、これはただものではない、と観進めてしまうのでした。

この不幸な石女の中殿ママが、仁順(インスン)王后 沈씨(シム )(チャン・ヒジン)。

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べーラブ・ミッション(LOVE MISSION) ~スーパースターと結婚せよ!』 (原題:스파이(スパイ) 명월 2(ミョンウォル)011年) の頃の雰囲気そのままに、ちょっと落ち着いた感じのチャン・ヒジンです。

この石女の中殿、黒呪術による代理受胎を命じてしまいます。
その上双子は不吉だからと、生まれたばかりのヨニ公主を殺すことを選択します。
ここに、ヨニと向き合えない、彼女が抱える不幸と苦悩の始まりがあるのでした。



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史実によるとインスン王后は1551年、18歳でスネ世子(セジャ)を出産します。
本作では、黒呪術(フクチュスル)によって双子が生まれます。

でもこのスネ(ヨ・フェヒョン)は第5話(12年後の1563年)、インスン王后が30歳の時に、本当の母親ヘラン(チョン・インソン)の呪詛によって早逝してしまうのです。

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作品では描かれませんが、その後 1567年、ミョンジョンも亡くなります。
そこで王族親族の傍系から河城(ハソン)君(第11代王 中宗の庶孫で、明宗の甥)を養子に入れ、第14代朝鮮王宣祖((ソンジョ)イ・ジフン)として即位させたようです。

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つまり、どうなったかというと、イ・ヨンエの20%くらいしか迫力がないけどあせる、チャン・ヒジンは34歳の若さで大妃(テビ)媽媽になってしまったのです。

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ヨニと再開し、ヨニを捨てたことを負い目に感じる、改心したテビを演じます。

文献上はソンジョ王が年若かったために1年間、ムンジョン大妃のように垂簾聴政を(スリョムチョンジョン)行ったというインスン シム씨。

本作では、ホンジュの黒呪術によって身体が蝕まれたため・・・もっと言うと、ソンジョがホンジュに憑り込まれてしまっていたため、インスン大妃が強引に政権をもぎ取りました。

そして呪いはソンジョの子供を身ごもった妃へも。

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この王后(カン・ハンナ)は正室の懿仁(ウィイン)王后 朴씨(パク )でしょうか。
まさか、第2側室、仁嬪(インビン)キム씨 (またの名は養和堂)(ヤンファダン)じゃあないですよね。

カン・ハンナは本作ではちょっとしか出ませんけど、同年放映の IU月の(タルィ)恋人(ヨニン)歩歩(ポボ) 驚心 (ギョンシム) 麗』(リョ) (2016年) では重要な役どころを演じていました。