How to fly for "sola girl." / 白石林檎20151227(2) | 光と影と、カルパッチョ。

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How to fly
for "sola girl."








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精進して参りたいと思いますので

本年もどうぞよろにくお願い致しますナイフとフォーク











さて、新年最初のお料理は…
揚げリンゴですか。

How to fry an Apple.とね←






ごほごほ











あれ?




違う?




お呼びでない?









こりゃまった失礼致しましった~











ということで
真面目に解説します。

How to fly for "sola girl."

宙(そら)はどうやって飛んだのか。








前回 "sola girl." で白石林檎さん演じる宙(そら)に飛んでもらいました。

これが記念すべきファーストフライひらめき電球

正確には"浮遊"という言葉を使いたいのですが
ではどうやって"浮遊"したのか。

いや

どうやって浮遊しているように撮ったのか

ですね。








まずはカメラのほうです。

条件は
タイミングを合わせられること
ブレないこと
ボケないこと

だと定義。

で、なにぶん私も初めてでしたので、、
単射で
1/1000秒以上のシャッター速度で
F5.6くらいの十分な絞りで置きピンで

やってみたのが今回の結果です。








単射で、というのは、別に連射してもよいですし
それによって救えるテイクはあるかもしれません目

でも、ここだ、と思えるタイミングで切り始めるべき。

秒間10コマ程度の連射じゃ人間が捉えるタイミングには勝てませんし
いたずらにカットを増やしてもチェックに時間が掛かるだけです。

タイミングと勘が全てですから、感覚が残っているうちに
どんどんリテイクしたほうが結果は良くなるはずとも思います。

また、自明ですが、レリーズタイムラグは小さいほうが望ましいです。
ライブビュー撮影をする場合は、ミラーアップ設定(一度下がらないようにする)が必要です。








シャッター速度ですが、
私がインスパイアされた 林ナツミさんのブログ によると
彼女は 1/500秒以上(暗いシーンでは1/320秒まで許容)とされたようです。

でも 1/500秒では止まらないと思うのですよ。

例えばマラソンランナーが走るくらいの速度で動くと
1/500秒で約1センチです。
手足ってもっと速く動きますよね。

ということで、私は 1/1250秒でずっと撮っていました。








絞り(被写界深度)とフォーカシングですが、
基本的に深度を深く取って置きピンで撮りました。

レリーズ優先での3DトラッキングAFとかなら
動きに追従しながらタイミングよく切れるのかもですが…。

でも、後で書きますが、実は多くの場合トラッキングなど必要のない撮り方をしているのです。

ということで、絞りは F5.6 固定で撮りました。
まあ全身と周りの光景が入るような距離ですから F4 とか F2.8 で実は十分かとは思います。
その辺りはお好みで。。








さあ、次は重要な飛び方です。

こんな階段の上で飛んだら危ないじゃないか
怪我をする可能性があるのではないか
と思われたかもしれません。

私も撮影を始める前はそう思っていました←

でも違うのです。
これは多分実際に飛ぶ人だから分かったのだと思うのですが
撮影をしながら彼女が編み出してくれました。








解り易いこのシーンで解説します。

彼女は両脚を浮かせていますが、これ、ジャンプしたと思いますか?

いえいえ、ジャンプなんかしていないのです。









これは実は失敗カットですが(笑)
このタイミングが早過ぎたカットが真実を語っています。

まず撮られるべき姿勢をつくり、右脚を後ろに上げます。

その上で、左脚だけを後ろに蹴り上げるのです。
(彼女はサウスポーです)

それによって、両脚が浮いた状態を作る。これです。

後から読んだのですが、林ナツミさんもブログで言及されていました。

> 浮遊場所に走って行ってポーズを決めて

詳しくは書かれていませんが、林さんも少なくともその場で浮いていて
おそらく多くの場合この片脚蹴り上げで撮っているのでしょう。

両脚を蹴り上げたりしたら、上体がブレて、髪や衣裳が乱れます。

飛ぶ必要なんかなくて、ただ浮けば良いのです。








今回はこの「その場浮き」の技で多くのシーンを撮影しました。

ただこれは、蹴り上げの関係からだと思うのですが、
両脚を揃えて浮くのは楽なものの、上の写真のように蹴り上げる側の脚を曲げるのは難しいらしいのです。

ええ、私は何が難しいのかうまく説明できませんが(笑)

でも高さが出ているので、体ごと上に跳ね上げながら脚を畳んでいるのか、、
すごい運動神経です…。

いえ、実は、参考にした林ナツミさんの写真集を見ていると
結構片脚畳みで浮いていまして。

私はのんきに、これやりたいなー などと言っていて(笑)

それで彼女は頑張ってやってくれたのでした。ナイスです。








もうひとつ、走り込んでのジャンプもやりました。

上の写真は、フレーム外から走り込んでジャンプしたところを撮っています。

この高さ、姿勢、は走り込みじゃないと無理ですよね。

このシーンは暗いのもあったのですが、真横ですから置きピンも楽で
絞りは F2 で撮っています。











以上が基本的な撮り方および浮き方になります。

その他コツを書いておきますと、、

浮く人の視線が重要
恐いからといって、着地点や地面を見てはいけません。
浮く人の姿勢やポーズが重要
力を抜いて、前傾姿勢でかつ胸を張って…爪先を下に。
撮る位置が重要
低い位置から撮ると、より浮いているように見えます。
構図が重要
せっかく頑張って飛んでもらうのですから。

という感じになります。

いやー、でも、そう簡単には撮れないと思いますよ目

まずこれは、類い稀な身体能力を持つ白石さんだったからこそ、
短い時間で浮くことをマスターできたのです。

そして、類い稀な撮影センスを持つ篠山(←)だからこそ…
あ、いえ、自粛します←

もし興味がありましたらトライしてみて下さい。








この日彼女はちょいちょい、手をついて両脚を蹴り上げるのをやりたがっていました。

この後 手も浮かせて下を覗きこむ感じにしたかったらしいのですが…

それはさすがに無理ですから~(笑)

顔面強打しますから~にひひ











私がインスパイアされたのは、去年(?)林ナツミさんの写真展で浮遊写真を拝見した時。

そして、その際に写真集を買わせて頂いて、いつかこんなのを撮ってみたいなと思っていました。

それで昨年末、掃除をしていたらその写真集が出てきまして(←)
ああ、これ、もしかして白石さんならできるんじゃ?
と思い、お願いさせて頂いたのでした。


後から読んで知ったのですが、林さんは1点につき100~200回飛ぶそうです叫び
多い時は300回とも…

いやいやそれは飛び過ぎでしょう(笑)
林さんの場合、セルフでの撮影も多いのだとは思いますが、それでも多い。
カメラマンがいるなら、絶対に100も200も飛ぶ必要はないはずなのですが…。


今回の我々は、全てを撮るのに約300回の浮遊。
連射はしませんでしたから、シャッター回数も同じです。

リテイクは最大でも20回程度でした。
一発OKや数回のリテイクでOKとしたシーンもありましたので
平均すると10%程度のOK率だったかと思います。

さあ、この確率で撮れますか?にひひ











やり残したこと。

浮き方のバリエーションを増やす
エキストラとの絡みを増やす
その他、シーンとして面白いものを狙う
(車とか動くものと一緒に)流し撮り浮遊






りんご





ということで、改めて白石さん、ありがとうございました!!(^O^)/クラッカー

またやりましょうグッド!


そういえば、某クレーマー氏が、デジタルならではのゲージュツを、みたいな具体性のない発言をされていましたが…

ゲージュツではないでしょうが、この手の写真こそデジタルの特性を活かした例と言えるのではないでしょうか。

撮ったその場で確認し、補正しながらリテイクを繰り返す…
シャッター速度を稼ぐため、暗いシーンではとことん感度を上げる…

ちなみに駐車場のシーンは ISO-8000 で撮っていますひらめき電球



●撮影データ
20151227 KPS撮影会(御茶ノ水 / 秋葉原) その2

●モデルデータ
白石林檎 4月20日生まれ おうし座 O型