腸内細菌はどんな食物線維でも消化する
ヨー子さん
「食物繊維は大腸をただ通過するだけですか?」
マルベリー先生
「人間は大腸の中にあるものを消化しません。大腸には消化酵素を出すような機能はないんです。」
ヨー子さん
「じゃぁ、やっぱり単に通過するだけってことですよね。」
マルベリー先生
「ところがそうでもないんですよ。」
ヨー子さん
「あぁ、そうか。そこで腸内細菌がお出ましになるってことですね。」
マルベリー先生
「そうなんです。人間は大腸の内容物には一切手を付けないんですけど、腸内細菌がどんどん消化してくれるんです。腸内細菌は食べ物と一緒に入ってくる土壌細菌たちですから、ありとあらゆる種類の細菌がいるんですね。だから、どんなものが来ようが、着実に消化していきます。」
大腸に食物繊維が無かったら出そうにも出せません
ヨー子さん
「便秘って、食物繊維と深い関係がありそうですね。」
マルベリー先生
「大ありですよ。」
ヨー子さん
「やっぱり、大腸の中が食物繊維でいっぱいでないと、便秘しやすいんですか。」
マルベリー先生
「そうなんですよ。大腸へは食物線維しか行きませんから、焼き肉ばっかり食べていたら、大腸の中はからっぽですよ。」
ヨー子さん
「からっぽだったら、出そうにも出すものがない、だから出ないという訳ですね。」
マルベリー先生
「その通り。たとえば真っさらの歯磨き粉のチューブを考えたらわかるでしょ。真っさらなチューブなら、キャップを外すだけで、中身が出てきますね。少し使ったチューブなら、少し押せば簡単に出てきますよ。何にも入っていないチューブは押せども引けども何も出てきませんよ。これですよ。食物繊維を大腸へ送らなかったら、大腸はからっぽです。出そうにも出すことができないのは当たり前でしょ。」
野菜をいっぱい食べて、健康な身体を作ろう
ヨー子さん
「デンプンはアミラーゼとグルコシダーゼという2種類の酵素で完全に消化されますね。タンパク質と脂肪も完璧に消化吸収されるんでしたね。」
マルベリー先生
「その他のビタミンやミネラルなんかは、小腸でそのまま吸収されてしまいます。」
ヨー子さん
「すると、大腸へ行くことができるのは食物繊維だけなんですね。」
マルベリー先生
「そうなんですよ。野菜に含まれるいろいろな成分はみんな消化されたり、あるいはそのまま吸収されます。残りの食物繊維だけが大腸へ行くことができるんです。」
ヨー子さん
「だから、野菜を食べろって言われるんですね。」
マルベリー先生
「そうなんですね。野菜をほとんど食べないので、大腸が空になっている人が非常に多いんです。大腸に入ってくる食物繊維を餌にして腸内細菌が大増殖してくれなければ、人間の身体は正常に働かなくなってしまいますよ。」
人間が利用できる多糖はデンプンだけ
ヨー子さん
「食物繊維って多糖でできているんでしょ。どんな多糖があるのですか。」
マルベリー先生
「植物によって持っている多糖の種類は違います。まぁ、ものすごくたくさんの種類があると思いますね。」
ヨー子さん
「そんなにたくさんの種類があるのに、人間は消化吸収して栄養にすることはできないんですか。」
マルベリー先生
「そうなんです。人間は多糖の中でも最も普遍的に存在するデンプンだけを自分の栄養にすることにしたんです。そのため、デンプンを消化するアミラーゼやグルコシダーゼの2種類の酵素を分泌するようになったんです。」
ヨー子さん
「それって、非常に経済的な考えですね。いろんな種類の多糖を消化するためにはそれこそたくさんの種類の酵素を用意をしないといけないのに、アミラーゼとグルコシダーゼの2種類だけにしたってことは、他の酵素を作るためのエネルギーを節約できるわけですね。」
マルベリー先生
「そうなんですね。しかも、デンプンの地球上での生産量はセルロースに次いで2番目に多いんですね。植物を食べたら、どんな植物にもデンプンは必ず含まれていますから、デンプンさえ消化できれば必要なエネルギーは確保できると判断したんでしょう。」
食物繊維は腸内細菌によって消化される
ヨー子さん
「大腸へ行く食物線維には、糖の結合数が少ないオリゴ糖、水によく溶ける水溶性食物繊維、それに水に溶けない不溶性食物繊維などがあるんですね。」
マルベリー先生
「そうですよ。これらの食物繊維は、人間の消化酵素によって消化されることがないので、と言うか、人間は食物繊維を消化することができる酵素を持っていないんです。」
ヨー子さん
「食物繊維って多糖類ですよね。すると、人間はグルコースの多糖であるデンプンしか消化できないんですね。」
マルベリー先生
「そうです。デンプン以外では、砂糖の消化ができます。」
ヨー子さん
「砂糖って消化がすごく早いんですね。血糖値が以上に下がったり、すごく疲れた時、砂糖を食べると元気の回復がとっても早くなるんですよね。」
マルベリー先生
「そうなんですね。腸内細菌も食物繊維の消化には、早く消化できるものもあれば、消化しにくいものもあって、それなりに苦労してるんですよ。砂糖はオリゴ糖の一種ですが、もっとたくさん糖がつながった多糖類より消化される速度がすごく早いんです。オリゴ糖の次は水溶性食物繊維です。最も消化しされにくいのが、不溶性食物繊維なんです。こうした食物繊維の消化の難易が、大腸の中での食物繊維の役割に結構役に立っているんです。」
大腸へ入っていけるのは食物繊維だけ
ヨー子さん
「野菜って、非常に重要なんですね。」
マルベリー先生
「そうですよ。野菜を食べたら、血糖値が上がりにくくなるだけではなく、もっと良いことがありますよ。」
ヨー子さん
「えっ!野菜を食べたら、血糖値以外にもっといいことがあるんですか。」
マルベリー先生
「そうですよ。大腸では人間の消化酵素は出てきませんね。出たり入ったりしているのは水だけです。」
ヨー子さん
「そうですか。なのに、いいことが起こるって、どういうことでしょうか。」
マルベリー先生
「大腸の中での消化とか人間にとって役に立つものを作っているのは、腸内細菌でしょ。腸内細菌は食物繊維を消化して、まず自分の仲間を増やしますね。そのあといろんなものを作るようになるんですが、善玉菌を増やすのに食物繊維が非常に重要なんです。」
食事の最初に葉物野菜を食べよう
「ご飯もきっちり食べて、血糖値が上がらない方法ってないのかしら。」
マルベリー先生
「ありますよ。食事に先立って、葉物野菜をたくさん食べることですよ。」
ヨー子さん
「えっ!野菜を食べたらいいんですか。」
マルベリー先生
「そうですよ。日本料理には前菜ってものがあるでしょ。これはよい食べ方なんです。」
ヨー子さん
「食事の最初に野菜を食べたら、どうして血糖値が上がらないんですか。」
マルベリー先生
「それはね、野菜の中にはα‐グルコシダーゼという酵素の阻害物質が含まれているからです。α‐グルコシダーゼが働かないとグルコースができないので、血糖値が上がらないんです。おまけに、ビタミンやミネラルをはじめ食物繊維も摂れるし、いいことずくめでしょ。」
消化されにくいデンプンを食べる
ヨー子さん
「食事をしたら、どうしても血糖値は上がるでしょ。ご飯を食べても、麺類やパンを食べても、デンプンが含まれていますから、どうしても血糖値は上がるんでしょ。」
マルベリー先生
「そうです。デンプンを食べたら、どうしても食後血糖値は上がってしまいます。」
ヨー子さん
「食べたら血糖値が上がるなら、食べないでおくというのはどうでしょうか。」
マルベリー先生
「それはよい考えですけど、食べないでいるとお腹がすいて仕事などできなくなりますよ。」
ヨー子さん
「それでは、デンプン質をなるべく食べないで、肉類を多く食べると良いわけですね。でも、肉ばっかり食べていると、すごく高くつきますから、あまり実際的ではありませんね。」
マルベリー先生
「食後血糖値を上げないようにする方法は、いろいろあるんです。その一つにグリセミック・インデックスの低いものを食べるというのがあります。グリセミック・インデックスはグリセミック指数とかGI値とも呼ばれます。ようするに食品の加工方法が異なると、デンプンの消化のされ方に違いが出てきます。デンプンが消化されにくいように加工法された食品を食べようというものです。」
食後血糖値の上昇がくせ者
ヨー子さん
「血糖値というか血糖ですね、血液中のグルコースが老化の原因になるんですね。すると、血糖値を上げないようにする工夫がいるということになりますね。」
マルベリー先生
「そうです。健康診断の時に測る空腹時血糖値は、人間が生きていくために絶対に必要な値です。」
ヨー子さん
「1dlあたり100mg以下は絶対に必要なんですね。」
マルベリー先生
「脳を正常に働かすためには不可欠なんです。」
ヨー子さん
「その一番低い血糖値の時でも、老化は進行するんですね。」
マルベリー先生
「そうです。これは避けられないんです。どんなに注意していても、一定程度の老化は進行します。だけども、食後血糖値のように、食後30分ほどして急激に上昇する血糖値を抑えれば、その分だけ老化を押しとどめることができるんです。」
血糖値を上げないで老化を防ぐ
ヨー子さん
「健康な人の血液に溶けているわずかなグルコースでもタンパク質の連結をするんですね。」
マルベリー先生
「そうです。どんなに健康な人でも、いつまでも赤ちゃんのような皮膚ではおれない理由は、グルコースとタンパク質の結合があるからなんです。」
ヨー子さん
「すると、普段から血糖値を上げないように気を付ければ、老化しにくいということですね。」
マルベリー先生
「そういうことです。脳を正常に保つためには、1dLあたり100mgぐらいのグルコースが必要ですから、このグルコースがタンパク質を引っ付けるわけです。」
ヨー子さん
「ではどうやったら血糖値を上げないようにできるんでしょうか。」
マルベリー先生
「問題は食後血糖値です。食事をするとご飯、パン、麺類などを食べますから、どうしてもデンプンを食べることになって、血糖値を上げてしまいます。また、味付けに使われる砂糖なんかも血糖値を上げる原因になります。これを防ぐ簡単な方法は、食事の一番最初に葉物野菜をたくさん食べておくことなんです。」