ラベルを読み取る | 北庄司酒造店 会長の独り言

北庄司酒造店 会長の独り言

 元三代目蔵主、会長による「酒蔵と趣味」のお話です♪

日本酒に関する極く初歩的なお話です。

 

日本酒のラベルの表示項目は酒税法で定められていて、先ず酒の分類「清酒」もしくは「日本酒」、次に「原材料」「アルコール度数」「製造年月」、純米酒や吟醸酒などの特定名称酒はその「名称」と原料米の「精米歩合」、それに、「飲酒年齢20歳以上」の明示と、商品の責任所在者となる「製造者」もしくは「発売者」の名称が必要と成っています。

 

近年、表ラベル以外に簡単なお酒の特徴を記した、俗に「裏貼り」と呼ばれている小さなラベルを貼ってる酒蔵が増えましたが、弊社では、もう30年ほど前に成りますが、「荘の郷」の銘柄の発売時から貼っています。

 

「裏貼り」にはその酒の特徴と美味しく飲める温度帯、それに「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」の分析値を表示していて、それらの数字から凡そどんなタイプの酒か判断出来るようにしています。

 

「日本酒度」の数字からは甘辛がある程度判断出来て、頭に「+」が付いて数字が大きくなるほど辛口、頭に「-」が付いて数字が大きくなるほど甘口に成ります。

 

「酸度」と「アミノ酸度」は酒のタイプに影響してきます。例えば酸度が高くアミノ酸度が低い酒はスッキリ切れの良いタイプ、酸度もアミノ酸度も低い酒は優しい口当たり、ソフトな味わいのタイプ、酸度もアミノ酸度も高い酒は濃醇でしっかりした味のタイプだったり、また余りアミノ酸度が高くなるとガラの悪い酒だったりします。

 

清酒に含まれる種々の成分の組み合わせに寄り、舌の感じ方も変わるので一概には当てはまらない処もありますが、凡その酒質はラベルから読み取れると思いますので、是非試してみて下さい。