こちらは、右足背にある海綿状血管腫の摘出をした症例です。
足の甲にモコモコした血管のかたまりがありますね。
エコー検査で、海綿状血管腫であることが予想されたので、摘出術をおこなうことになりました。
術後、じわじわ出血してきて血腫などをつくらないようドレーンとよばれる管を挿入しています。
こちらの管は次の日以降、処置にお越しいただき、出血してこないのを確認できたら抜去します。
(術後1-2日後に抜去になることが多いですが、状況により長くなる場合もあります。)
摘出した海綿状血管腫です。
摘出すると、血液の流入がなくなるので かなり縮みます
海綿状血管腫(静脈奇形)とは
血管のなかでも、静脈の成分に異常があり、静脈が部分的にひろがったり、曲がりくねったりしていきます。
これらが集まって腫瘍のようにみえるものです。
患者様に説明するときにつかうたとえですが、、、、、
スクイーズボールを皆様ご存知でしょうか?
握るとグニュっと中身が飛び出るアレです
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海綿状血管腫の静脈は血管の異常で、壁が薄くなったりしているので、血流が増えると、このように、ぶにゅっと血管がふくらみ、まがりくねったりして、形が不規則になったものが集まっているとイメージしていただければわかりやすいですね!
静脈がある場所にはどこでもできる可能性があるので、脳ドッグで脳内にみつかった!という場合もあります。
(なかには、血管壁が破れて出血してくるので、脳出血の原因になることも、、、。詳細は脳外科学会HPを。)
皮膚科や形成外科領域では、患者様が「皮膚に青紫色に透けて見えるできものがある」と気づいて来院されることが多いです
多くは、生まれつきから存在していたものが成長とともにはっきりしてくる、といった経過をたどります。
(ある程度のサイズにならないとわからないので、成人してから発見される場合もあります)
手足にある場合、重力に従って血液が異常血管内に溜まるため、手足をあげていると目立たないが、手足をさげると膨らんでサイズが大きくなる!なんてサイズがかわることも。
また、筋肉内に発生したり、サイズが大きなものは痛むこともあります。
深さやサイズをCT,MRI,エコー検査で調べる必要があります
治療法は、大きさや部位によってかわりますが、今回のように摘出術をしたり、薬液を注入する硬化療法を行なったりします。
(脳内にできたものの治療は脳外科学会HPをご覧ください)
昔からあるけどだんだん大きくなってきたできもの
青紫色に透けて見えるできもの
グニャっと蛇のように蛇行したできもの
これらは静脈の病気の可能性がありますから、ぜひ一度、受診してみてください
【腫瘍摘出術 注意事項】
傷跡、瘢痕拘縮、赤み、腫瘍の再発、麻酔のアレルギーなどの可能性があります。
病理検査結果によってはお支払いする金額が変わる可能性があります