【湖山長者と法華経】
湖山池のほとりに産見長者(湖山長者)がいて、念願の一人娘を授かりました。
娘が8歳になったとき、突然龍女に変身し、摩尼山の方に飛んで行ってしまいました。
龍女は摩尼山に降り立つと、今度は帝釈天に変身しました。
これが摩尼寺の縁起になるわけですが、法華経の提婆達多品の龍女成仏がもとになっていることがわかります。法華経を再認識した白隠禅師の「衆生本来仏なり」の比喩が提婆達多品などで語られているわけです。年齢、性別を超えて、さらに人間ではない龍までも成仏できると説いているわけです。摩尼寺は天台座主の慈覚大師(円仁)が開いた寺なので法華経にまつわる話が縁起になるのは自然なことなのです。