わたしたちはお参りの最後に回向のことばをお唱えしております。
願わくはこの功徳をもって あまねく一切に及ぼし
我らと衆生と皆ともに 仏道を成ぜん
回向とは読経やお供えによって仏さまに対し積んだ功徳をご先祖さまや浮かばれない霊魂に回し向けることです。
「私の善行から生まれた功徳が、この世のありとあらゆる存在すべてに広がり、
私と生きとし生けるものとが、ともに励みながら仏さまの道を進むことを願います」
というような意味になります。
南方仏教の国々ではお参りの最後の回向では施主が水の入った細い注ぎ口の器からお椀状の器に水を少しずつ注ぎながらお経を聞き、亡くなった方へ功徳の回向を念じ、また自身と家族の幸せを祈ります。
この時は集まった家族親族友人が施主の肩や背中を触りながら注がれる水に対し想いを合わせている姿を見ることができます。
下に南方仏教のパーリ語の回向文を訳したものを記します。
皆さまのお勤めの功徳がより広く行きわたりますよう祈念いたします。
川の水が流れついて海を満たすように
亡くなられた人への功徳がゆきわたりますように
月がまるく満ちるように 或いは宝石がそこに敷き詰められるように
あなたの願い 望みが早くにかなえられますように
苦しみがなくなりますように
病気が治りますように
危険がなくなりますように
幸福と健康がおとずれますように
周囲の人たちから敬われ尊ばれますように
4つの徳目 長生き 美しさ 幸福 活力 が増えますように
南無大師遍照金剛
秩父別町 大聖寺 中原 隆賢 僧正