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パリ旅行1

パリ旅行2

パリ旅行3

パリ旅行4

パリ旅行5

パリ旅行6



パリ旅行7

ホテルへ戻ってそわそわとしながら大使館員からの電話を待っていると、1時間後くらいに連絡があった。大使館というのは困っている人の要望に応じて動くらしく、向こうから助け舟を出してくれるというよりは、こちらの要望に応じて動くという姿勢なのだ。そのためか「あなたはどうしてほしいのですか?」としきりに聞いてきたので、ホテル代(約7万円)が払えないのでそのお金を貸して欲しいと言ったら、高額なので貸すことはできないとはっきりと断れてしまった。


大使館は2食の食事と1日の宿代のぎりぎりのお金くらいしか貸すことができないそうである。とりあえずはカードを止めて、日本から送金してもらうしかないですから、再度、大使館の緊急連絡先に連絡して、カード会社の連絡先を聞いて下さいと言われ、お金を貸してくれるかもしれないとの淡い期待は見事に砕け散った。



再び、緊急連絡先の女性に連絡をして、カード会社の連絡先と日本からの送金方法を教えてもらった。日本からの送金方法に彼女はあまり詳しくないらしく、日本のスルガ銀行からウエスタンユニオン銀行へ送られ、フランスの郵便局で受け取ることができるようだとのこと。ただし、送金には早くても1日はかかるだろうと言っていた。


そこで問題になるのが、送金にかかる時間である。もし1日送金に時間がかかったとすると飛行機の出発時間までにホテル代を精算することができない。とすると、新たに航空券を買い直さないといけなくなってしまう。しかも、正規の値段で購入しなければならず、値段は30万円くらいするらしいのだ。


まずは、紛失したクレジットカードが使用できないように、さきほどの女性から教わった電話番号に電話した。カード会社のオペレーターがすぐに電話に出たが、英語であった。今思えば冷静だったと思うが、英会話の本に載っていてどこかで覚えていたのだろう、はじめての使う場面で、とっさに出てきた。” Is there who can speak Japanese ? " (日本語を話せる人はいますか?と。幸運なことに、日本人のオペレーターと話して、それを最初に出た英語を話すオペレーターへ伝えてくれることになった。3者の会話が聞こえるのだが、英語のオペレーターが要領を得ないことがあったのですが、日本語を話すオペレーターが結構強い口調で適切な指示を私にかわって出してくれたので、本当に有り難かった。同じ日本人で財布をすられたという事情を話したので、きっと同情してくれたのだと思う。

” Is there who can speak Japanese ? " のフレーズは、海外旅行へ行く人は覚えていて損は無いと思います。使う場面が無い方がよいのですが、困った場面では、言ってみる価値はあると思う。


その後、送金をお願いするため父親に電話をかけた。電話をかける前は「なにやってんだ」と言われるかと思ったが、そんなことはなく送金方法を調べて送金するから心配するなと冷静な対応だったので、とてもありがたかったとともにまったく動揺しないところは、さすが親父。と見直した。


つづき

パリ旅行8

パリ旅行1

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パリ旅行6


どうしてよいかわからなかったので、日本大使館ならなんとかしてくれるだろうと思い、一度、ホテルへ帰りガイドブックで調べて日本大使館へ向かった。パリの日本大使館は凱旋門の近くにある。私が泊まったホテルはコンコルド広場の近くにあったので、コンコルド広場から凱旋門まではかの有名なサンジェリゼ通りを歩いて大使館へ向かった。


旅行へ行く前は、シャンゼリゼ通りをダニエル・ビダルのオーシャンゼリゼを ♪ オ~ シャンゼリゼー オ~ シャンゼリゼー ♪ と鼻歌交じりに歩くことを想像していたので、まさか自分が、はじめてのシャンゼリゼ通りを笑顔で楽しそうに歩いている観光客を横目に、尋常ではないスピードで脇目もふらずに歩くなどとは想像しなかった。



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なにはともあれ、すこし迷いながらも、大使館へ着いた。しかし、あいにく土曜日は休みらしく閉まっている。結果には、休日の門番と思われる見上げるほど大きなアフリカ系フランス人男性が日本大使館の緊急連絡先に電話をしてくれて日本人の担当者と話をすることができたのだが、私の片言の英語と彼のフランス語での意思疎通には苦労した。



彼はフランス語しか話さない、こちらは片言の英語なので、意思の疎通が全く取れず、お互いにそれぞれの伝えたいことを言う。しかし、お互いの言っていることが分からないので行き詰まり、お互い苦笑い。それを3回くらい繰り返すと不思議な物でなんとなく彼の言いたいことが分かり、彼に全てを任せてしばし待った。



電話に出たのは日本人女性で、財布をスラれて、お金がないことを話すと至って事務的な口調で、大使館職員に連絡をとり大使館職員からホテルへ連絡しますので待機していて下さいと言われ電話は切れた



ホテルへ帰る途中、何人もの日本人観光客らしき人々をすれ違いました。すれ違う度に、いっそお金を貸して下さいと頼もうかと思った。冷静に考えれば貸してくれるはずがないのですが、人間は追いつめられると、まさに藁にすがる気持ちで可能性がほんの僅かでもありそうなことをやってみようと考えるもののようだ。


つづき

パリ旅行7





それはパリ滞在2日目、ベルサイユ宮殿を見学し、パリ市内のホテルへ帰る途中の電車の中で起こった。


ベルサイユ宮殿を見学し、はじめて、フランス語で切符を買うことができ、意気揚々と帰りの電車に乗り込んだ。帰りの電車は、パリの中心地から少し離れたところを走っているせいか、あまり乗客が乗っていなかった。


ベルサイユ宮殿がある最寄り駅から2つ目の駅で少年2人が乗ってきた。小学生くらいの年頃でいかにもわるそうな少年だったので、関わらないように目線を合わせないようにしていたが、電車が動きだすと1人の少年が隣に座ってきた。


少年は片言の英語とフランス語でなにやら寄付をしてくれないかと言っているらしい。何のための寄付かわからないので断ったが、あまりにもしつこかったので、小銭を寄付すればどこかほかへ行くだろうと思い、財布をポケットから出し、少しばかり彼にコインを手渡した。


すると彼は何やら寄付した額と自分の名前を書いてくれと言ってた。彼から画板のように大きなボードを手渡され、そのボードに記入した。その後、もう1人の少年が来て、何やらフランス語で何かをまくしたて始めた。その少年が何と言っているのか理解しようと試みたが、まったく分からずに困っていると電車が次の駅に到着した。


相変わらずフランス語で何事か言っていたが、電車が発車する寸前で彼らは「メルシーと言って電車を降りて行った。電車が走り出して、一体全体何と言っていたのだろうと思いながらも、フランス語で切符が買えたことと寄付をしてまあ何はともあれ良いことをしたなという余韻に浸っていた。その時、不意に、何だかイヤな感じがした。次の瞬間、あったはずの財布の感覚がないことに気づいた。手でポケットを確かめてみたが、やはりなかった。やられた。ビデオテープを巻き戻して再生して見るように、頭の中で、少年達とのやりとりが思い起こされ



小銭を渡したと同時に、矢継ぎ早に画板くらいの大きさのボードを渡されたために、財布をポケットにしまう時間的余裕がなかったので、思わずしまわずに膝の上に置いてしまった。


その時は、危ないなと思ったのだが、2人が同時にいろいろとフランス語で話すので、そちらに気を取られ、いつの間にかすっかり財布のことは忘れてしまった。今思えば、財布を出し後、財布をしまわせないように矢継ぎ早にボードを渡し、ボードに記入している間に、ひとりが話しかけて気をそらしているうちに、もう1人が隣に座って財布をとる。


被害者からは、ボードが目の前にあるので、財布をとる手がボードの死角になって見えない。さらに電車が次の駅に到着してドアが閉まる寸前までフランス語で話しかけて時間稼ぎをし、財布がなくなっていることに気づかせない。少年達が降りた後に財布がなくなったことに気づいても追いかけようがない。


小学生だから小銭目当てと思っていたが、ねらいは財布だったのだ。それにしても財布を取られた感覚がまったくないのは驚いた。まさに芸術的(?)だった。(こうもまんまと騙されると腹が立つというより、マジックにひっかかった感覚に近い。)


幸い財布には現金は1万円弱しか入っていなかったが、大切なクレジットカードが入っていた。クレジットカードがないと現金を下ろすことができないし、ホテル代も払うことができない。さて困った。実質、お金が全くない状態になってしまったのだ。


つづき

パリ旅行6