行橋市消防本部・苅田町消防本部 梯子車更新配備 | 北九州 緊車.net

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※今回は下書き状態で異世界転生してどこかに消えていたはずの記事が復活していたので再編集してお送りします。

 

 

今回は2024年2月に行橋市消防本部に更新配備された梯子車を紹介します。

 

 

行橋市消防本部 30m級梯子車”行消26

 

MORITAのスーパージャイロラダーシリーズの最新型。

日野とMORITA共同開発の梯子車専用シャーシ"MH"で、梯子の長さは30mとなっている。

 

 

ビル屋上の手摺りや電線などを回避できる先端屈折式梯子になっている。

 

 

今回の新車は通常の更新配備とは少し異なる配備となっている。

その証拠に...。

 

車体には「行橋市苅田町」の文字が入れられている。

今回の新車は行橋市消防本部苅田町消防本部の共同運用車両として配備された。

 

 

出動頻度が低い地方の消防本部では、車両の維持修繕や新車購入はかなりの負担となる。

そこで近隣の消防本部と応援協定を結び応援出動を促したり、複数の消防本部で共同運用する動きが全国的にも広がっている。

今回行橋市と苅田町では2市町で共同運用する体制が取られることとなった。

 

 

バスケット底面・車体側面・標識灯など各所に行橋市苅田町の表記が入れられている。

 

 

今回の車両は30m級先端屈折式梯子車で、ポンプ装置等は有していない。

タンク車やポンプ車などからの送水を受けて放水を行うモデル。

 

 


2021年以降製造モデルは日野プロフィアのヘッドライトが採用されるようになった。

こちらも非常にカッコイイ。

 

 

補助警光灯・LED作業灯等は大阪サイレン社製を採用。

行橋市消防本部に常時配置され、メインは行橋市消防本部が運用を行う。

しかし苅田町消防本部管内での高層建物火災等の際には苅田町消防本部の隊員が運用を行うようだ。

 

 

そして続いては今回の更新により引退となった車両。

新旧 梯子車。

 

 

 

行橋市消防本部 旧"行消26"30m級先端屈折式梯子車

日産ディーゼル工業の梯子車専用シャーシを使用した梯子車だった。

艤装は日本機械工業(NIKKI)。

 

 

全国的にも貴重な存在な車両だった。

 

 

平成17年度に航空自衛隊築城基地周辺消防施設設置助成事業の補助金を活用して配備された車両だった。

 

 

車両銘板。

平成18年3月の製造から令和6年3月まで18年間運用されたが勇退。

車台形式 FJは梯子車専用シャーシを表す。

"スカイアクションラダー"の愛称も懐かしい。

2003年度以降は西日本車体工業のバスシャーシがベースになっており、路線バスなどで活躍する車両と同じような顔つきになっている。

 

 

引退間近の2月、新車を使用した訓練が行われていたがまだ同車は現役稼働個体だった。

梯子車の出動機会は少なく、走行距離の多くは定期点検やオーバーホールの際の回送走行だとか。

 

 

NIKKI スカイアクションラダーの特徴と言えば...。

 

 

前輪だけでなく後輪を稼働させることができる4WS機能。

4WSにより最小回転半径を小さくすることができ、狭いスペースでの取り回し性能が向上。

前輪と後輪が逆方向へ稼働する。

 

通常走行時はこの機能はOFFにしており、必要な際だけONにする取り扱いだった。

この型はもう一つ機能がある。

 

 

こちらはカニ足走行機能。

前輪と後輪を同じ方向に曲げることで現場建物側への幅寄せなどを容易に行える機能。

 

これを幼少期に初めて見たときはビックリしたのを覚えている。

現在でも4WS機能を有する消防車両はあるが、カニ足走行が可能な車両はこのモデルが最後と思われ徐々に数を減らしている。

 

隊員の皆様のご厚意によりとても良いものを見せていただきました📸

ありがとうございました。

 

 

今回はもう1台。

行橋市消防本部苅田町消防本部の共同運用と言うことは、苅田町消防本部の梯子車も役目を終えると言うこと。

 

 

と言うことで苅田町消防本部へ。

 

 

こちらが役目を終えた苅田町消防本部 30m級梯子車"苅消8"

MORITA艤装"スーパージャイロラダーシリーズ"の初代モデル。

 

 

保管場所標章の番号左側2桁を見ると"94"と書かれている。

1994年に配備されたこの車両も30年の節目を迎え引退となった。

 

 

初代スーパージャイロラダー個体も貴重な存在だった。

88ナンバーもそろそろ絶滅だろうか。

 

 

標識灯後方にはモーターサイレンがあるが、赤色ランプが一体となっている大阪サイレン社製モデル。

今ではなかなか見ることが出来ないもの。

 

 

車体後方。

時代を感じさせるデザイン。

 

オーバーホールの際に塗装が施され綺麗になって帰ってくる梯子車。

年数を感じさせないのはそのせいだろうか。

 

 

年間走行距離は100km以下と稼働機会の少なかった車両だった。

それでも30年間お疲れ様でした。

 

 

今回の共同運用車両の配備により、苅田町消防本部に梯子車は居なくなった。

 

梯子車が停められていた場所には新たに配備された指揮車が停められた。

苅田町消防本部の皆様、撮影させていただきありがとうございました。

 

 

これからの新車の活躍に期待。

出動機会が無いに越したことは無いが...。

 

 

 

中間市消防本部の梯子車もあと何年残るだろうか...

 

 

 

 

2024.5.12 @kitakyu_pc

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