根っこには純文学を持つ、信念の作家か。 | 不埒な病、不埒な趣味、そしてetc.

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2012年9月に下咽頭癌にかかり、以後、自宅で長い療養生活に入る。暮しの中心は読書。いきおい読んだ本の話が多いかも。
音楽と競馬の話も、僕には欠かせない日々の潤いです。

吉村昭と津村節子は、夫婦で作家として成功した珍しい人たちだ。津村節子は芥川賞をとっているが、吉村昭は候補四度で受賞はしていない。それでも、ひねくれることもなく書き続けた吉村昭は「戦艦武蔵」によって新境地を開き、売れっ子になっていく。
吉村昭は、史実に根ざした名作を数々書くが、純文学を捨てることはなかったようだ。その後も、短編を書き続けている。
「私の文学漂流」によると、川端康成や梶井基次郎が好きだったようだ。僕は彼の初期の短編「鉄橋」が好きで、愛読していた。