「労働NPOの事件簿」  ワクワク・ドキドキのまったく新しい労働問題ノベル | 北出茂 大阪・枚方の社労士の働き方ブログ 【三方良し】ブログ

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法律家20年、開業10年のコンサル。働き方、資格、法律などについて語ります。(補助 えみ+あり+まい)

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「労働NPOの事件簿」

~仕事をめぐる“名もなき人たち”のたたかい~

 ワクワク・ドキドキの

まったく新しい労働問題ノベル

 

みなさま、いつも当NPOの活動に関心を持っていただき、ありがとうございます。

引き続き、当NPOをモデルとしている「労働NPOの事件簿」(花伝社)の紹介です。

著者は、社会保険労務士・NPO法人「働き方ASU―NET」理事の北出茂です。  

ぜひ、皆様に手に取っていただきたく、横へ広げていただきたく、お願いをする次第です。以下、本書の内容を<縦軸>と<横軸>に分けて、本書がなぜ、ワクワク・ドキドキのまったく新しい労働問題ノベル、であるのかを解説していきたいと思います。

本書は、読みやすくてリアルな「使えるノベル」だ!

まず、「労働NPOの事件簿」で、モデルになっているNPOは「働き方ASU‐NET」であり、実際にあった事案を元にしています。

本作品は、働き方の問題(労働問題)を<縦軸>にしています。

筆者の魂をかけた社会への問題提起です。

働き方の問題は身近なテーマではありますが、労働法の知識や、困ったときに頼りになる存在である労働NPOあるいはコミュニティユニオン、あるいは労基署の使い方について知識や関わりや経験のない方がほとんどです。

そうであるからこそ、本作品は「ひとりひとりが主人公」というスタイルを採用しています。

本作品は、知識が(とぼ)しい方にも読み進めてもらえるように、あえて、相談者側の視点から物語を進めるようにしています(第1章~)。さらに、女子大学生(法学部ではなく産業社会学部)のボランティア相談員がゼロから労働法の知識を習得しカウンセリングをしていくという過程を追体験できるような構成にしています(第3章~)。

これらの章立ての構成により、読者が無理なく、作品を読み進めていけるような工夫を凝らしています。

本作品は、(労働問題という難しいテーマを<縦軸>にしながらも)<横軸>にエンターテインメントの要素を随所に取り入れています。

その一つとして、恋愛小説の要素を取り入れています(労働恋愛小説)。

本作品は、さらに、いくつかの「国民的人気漫画」が支持された要素を取りこんでいます。

本書は「名探偵コナン」だ!

「名探偵コナン」を参考に“ドキドキわくわく感”を取り入れています。本作品では殺人事件は発生しませんが、通常の生活をしていた場合には遭遇しないようなことが発生したり、会社の社長や役員やチンピラ(?)や法律家など普段会えない人物と会えたり、謎めいた人物が登場したりします。

話が「問題解決」に向けられている点でも共通性を有しています。

名探偵コナンは一つの事件ごとに3話くらいで完結させる形を採り、その話のつなぎ方が「事件編」「推理編」「解決編」というように分かれています。このシステムを真似して、「事件編」「法的手段あるいは交渉編」「解決編」というように一つの章を3~4つ(起・承・転・結)の款に分けて間延びしないようにつなげていくというシステム(章立てと構成)を採用しています。

本書は「ワンピース」だ!

「ワンピース」を参考に、そこで描かれている「友情のかたち」や「組織(グループ)と個人との関係」や「一人一人の物語」というテーマ性を取り入れています。友情にはさまざまなかたち(男同士、男女間、女同士)があり、個人を犠牲にする組織であってはならないし、ひとりひとりが輝ける組織でなければならないという点で共通性を有しているからです。

 ワンピースの面白いところは、同じ船に乗っている仲間それぞれは、別々の目標(目的)や別々の夢を追いかけているところです。しかも“ルフィー”というリーダー格(主人公)もあらゆる場面で絶対的なリーダーというわけではなく、その場面や状況に応じてリーダーが変わるという柔軟な組織といえる点です。

 本作品でも、ピラミッド型の組織ではなくネットワーク型の組織という特徴を生かし、場面や状況に応じてリーダーが変わるなど、「ひとりひとりが主人公」になりうるようにしています。

本書は「鬼滅の刃」だ!

「鬼滅の刃」を参考に“登場人物の成長の物語”という要素を取り入れています。「鬼滅の刃」では悪である鬼に対しても悲しいエピソードが描かれます。本作品も、権利を勝ち取る過程で悩みながら、様々な登場人物が周りの人間とともに成長して行く、という物語になっています。意見をぶつけ合い、悩みながらも、少しでも前へ進もうとする姿勢などを各人の成長の物語として、ぜひ暖かく見守る感じで読み進めていただきたいです。

本書は「エヴァンゲリオン」だ!

「エヴァンゲリオン」を参考に“登場人物の心の葛藤”を描いています。

 本作品は、心理ドラマ、メンタルヘルスや精神的問題とも親和性が強いという特徴を有しています。相談者は精神を病んでいるもしくは精神的に追い詰められている状態にあることも多いです。のみならず、本作品の登場人物は、みな、心の闇あるいは欠点や欠陥を抱えています。

例えば、登場人物は、精神的問題の象徴とも見なせます。

(ここから先はいわゆるネタバレになるのですが) ノロシーはうつ病です。福岡恵子は失恋したことがきっかけで九州から大阪に出てきています。北斗恒星も実は反逆のエリートであり泥にまみれています。美波帝は夜の職業出身者であることが明かされるほか、正体が不明の影のある人物として描かれます。山川美里もお嬢さん育ちなのか、正義感が強い反面、世間知らずの一面を持ち合わせていてそれに悩んでいます。米内洋祐も心優しいが、非正規社員で自分に自信がなく、自我を主張したがりません。勿論、相談者の方は様々な権利侵害をされたり人格を否定されたりして深く傷ついています。

 本作品でも、登場人物の悩みや自分探し、周囲との溝、コンプレックス、優しくしてくれる存在(母親的存在)への一体化願望、恋愛願望、などが描かれます。

 ■本書は、ひとりひとりの成長の物語であり、優しく温かい物語です!

 最後に、本作品は扱っているテーマが潜在的な労働問題・社会問題である分、キャラクターの葛藤や相関関係は分かりやすく描くようにしています。

  本作品は、ひとりひとりの成長の物語であると同時に、登場人物が失ったものを少しずつ取り戻していく優しく温かい物語です。

 そうであるからこそ、同様の悩みを抱えた、現代を生きる者の心に刺さる可能性があります。読者がそれぞれのキャラクターを自分の分身とし、自己投影するような作品が本作品です。

 

 このように、本作品は、「国民的人気漫画」が支持された要素をふんだんに盛り込んでいます。

 社会派作品、かつ、ためになる作品であり、楽しめる作品であることを明確に意識して書き上げております。

 本作品への愛情、そして絶大なる自信をもって、本書を読者の机上にお届けします。

 

 北出茂

 

 

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