明日15日（金）に公開の作品を試写会で一足お先に鑑賞しましたので、ネタバレなしでご報告です。
まず、タイトルが出るまでに超鳥肌！ なんというキラキラ！ 美しい美しいい！！
(C)2023 Ponoc
空想の友達の冒険が始まる
あらすじは、空想の友達＝イマジナリフレンドだ。
アマンダといつも一緒のラジャーは、他の人には見えない友達。
アマンダの頭の中から生まれた、架空の男の子である。
２人は毎日、想像の大旅行を繰り返す。
そんな日々に転機が訪れた。
アマンダは哀しみを抱えており、せつない。
ラジャーはアマンダをいつも笑顔にしてくれる。
子ども心を忘れたババア（当方）が観ても目頭に来る。
イマジナリと呼ばれる存在は、いずれ忘れ去られてしまう運命だ。
そうなった時に、人の想像力から産み落とされた彼らはどこへ行くのか。
そうか、そうだよね、と胸がキューンとなる。
イマジナリの町でラジャーが出会う景色の、眩しさと暗黒。
彼らが寄り添い、何かを誰かを守ろうとする姿が健気だ。
声優キャストとスタッフ
(C)2023 Ponoc
ラジャー役は寺田心くんだった！ 全然わからない！ 録音は声変わりギリギリ前だったそう。素晴らしい演技力に脱帽。
アマンダ役は鈴木梨央ちゃん！ 名子役さん！ 自らの子ども時代を確認しながら声を作ったのだそう。上手いなあ。
(C)2023 Ponoc
エミリ役の鼻にかかった声がとても好き。仲里依紗だった。YouTubeとのギャップ！
山田孝之も全然わからないのでスゴイ。ご本人も観客に自分の顔をちらつかせたくないということで、大成功。
声優に初チャレンジの安藤サクラは声の響きの特徴か、すぐにお顔が浮かんでくる。きっと、ご本人の存在感が強いせい。
イッセー尾形は存在丸出しなのに、場を持っていく。憎たらしい役どころ。
まさかの寺尾聡と杉咲花。
エンドロールにピカチュウこと大谷育江の名を発見して興奮。ロボットの子か！
同じく「協力」に庵野秀明監督の名前が！ どんな協力だったのか。
百瀬義行監督はスタジオジブリ作品出身のアニメーター。高畑勲監督の『火垂るの墓』から『かぐや姫の物語』まで全作品に参加されたという、その力量。作画動画の見事さにシビれてしまった。
熱い西村義明プロデューサーによれば企画から６年だそう。高畑勲監督との出会いがあったからラジャーが出来たと話されていて、プレミアでも故・高畑監督の席を設けていたりして、そんなの泣くに決まっているじゃないですか…（詳細は↓コチラ）
原作のA・F・ハロルド『ぼくが消えないうちに（原題：The Imaginary)』は世界の文学賞を席巻した児童文学だ。読んでみたい。
楽しくて、やがて怖い
スタジオジブリ出身者が集う制作会社スタジオポノックのアニメは、手描きが中心。
これがもう、スゴイのなんの…（語彙力）
今回は「手描きアニメーション2.0」としてデジタルとも融合。
実に1500カット以上、10万枚以上を手描きしたというのだから！
想像するだけで手の震えが止まらない。
スタジオポノック１作目の『メアリと魔女の花』を観た際に、ジブリ色ではなくオリジナル性が観たいなど生意気なことを言っていたド素人は誰だ。当方です。
それが、今回はオリジナル度が高かった。
観客というのは勝手なもので、あまりにも「泣かせ」が多いと、泣けない。
が、本作はその配分が上手いのか。
途中、だいぶ泣いてしまった。
ホンワカ童話の世界のように見えて、陰影のあるストーリーだ。
怖さがある。
夢と現実の境目で立ち現れる暗黒。
願わくば、もっと震え上がらせてくれていたら…
と思うのは、当方がホラー人間だからだろう。
お子さまが観ることを想定していると考えると、怖さもじゅうぶん。
ラジャーが足を踏み出した先で見るものたち。
現実と空想が交錯していく。
冒頭の最高潮のワクワク！
からの、徐々に暗がりに形を変えていく物語。
ラジャーは愛を成し遂げられるのか。
人は空想に救いを求め、逆もまた同じなのだなと、子ども心を少し思い出した。
スタジオポノック作品の感想はコチラ↓
2023年製作／108分／G／日本
監督：百瀬義行／原作：A・F・ハロルド／プロデューサー：西村義明／主題歌『ア・グレイト・ビッグワールド』レイチェル・プラッテン／制作：スタジオポノック／出演：寺田心、鈴木梨央、安藤サクラ、仲里依紗、杉咲花、山田孝之、高畑淳子、一龍斎貞友、かぬか光明、大谷育江、平澤宏々路、川原瑛都、寺尾聡、イッセー尾形
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