あらすじ

巨大ハリケーンに襲われ、避難勧告が発令されたアメリカ・フロリダ州。

連絡が取れない父の元へ急ぐ娘。辿り着いた懐かしの実家は水浸し。強まる風雨。そして地下室には、ワニが入り込んでいた。

 

ワニVS人間。娘と父。家族とは。諸問題も飲み込んでいく、家屋内水没パニック。

人間はワニに勝てるのか

興奮である。

ワニワニパニックである。

フロリダ南部の湿地帯は、青森県+秋田県の面積以上がワニの楽園だ。

って、どんだけ。

むしろ、なぜそんな土地に住むのか、人間よ。

 

土地柄ゆえに、このシチュエーションは全くもって自然。

ナチュラルに、ワニが家に入り込む。

しかも、水中はヤツのホームなので。

人間は圧倒的に不利である。本来、瞬殺だ。

 

ところが87分をもたせてくる辺りが、この映画の力技。

人間とワニが互角に張り合うには、どんな設定なら説得力があるのか。

原題は『Crawl』で、日本語訳すると、

(のろのろ)はう、腹ばっていく、のろのろ走る、徐々に過ぎる、そろそろ歩く、こそこそ歩き回る、うじゃうじゃしている、(虫がはうように)むずむずする、クロールで泳ぐ[Weblio

こんなに上手いタイトルがあるだろうか!(大声

 

ナイスアイデア+水ジャブジャブの勢いたるや。

鑑賞して半年以上経つのですが、あれ?3Dで観たのかな?と記憶が書き変わっているほど。

 

ワニが賢く、人間が素早く、あ、この人、ヤラられるな…と、簡単に先が読める。

しかも、奮闘するのは女性である。ヒャッハー!

キャスト、スタッフ

アレクサンドル・アジャ監督・製作

フランス人ホラーマン。一部に人気。『ハイテンション』はトラウマ級で『ピラニア3D』はズッコケた。かように、作品ごとに波がある。今回は良い波に乗ってんね!

サム・ライミ製作

みんな大好きサム・ライミ。数多のホラーを監督製作してくれる恩人。個人的に『スパイダーマン』シリーズはサム・ライミ版が好き。一筋縄ではない発想にシビれる。

マキシム・アレクサンドル撮影

アジャ監督の相棒。肝はこの人のカメラではないかと、いつも思う。

カヤ・スコデラーリオ

娘役。体を張りまくり。近頃の女優の「体を張る」という言い回しは主にヌードではなく、体力である。ほとんどズブ濡れ。泳ぐ泳ぐ。『月に囚われた男』がデビューということは…あの娘さんですか!?

バリー・ペッパー

父役。良い! 家族とうまくいかない男である。家は水浸し。ワニはいる。そんなツイていない中年男の哀愁と、娘愛。今や名脇役だが、今回は特に素敵。

ワニ

リアルすぎる。
CG処理なのだが、まさか、本物を使ったか…?ありえる…!と震えるレベル。
「演じる側が本当に怖がっている様子を見せるために、緑色の全身タイツを着たスタントマンに実際クネクネ這ってもらったり、部分的な模型を使った」というサム・ライミP。クネクネマン、涙ぐましい。⇒インタビュー

 

チョチョ

犬である。ホラーパニックには欠かせない。映画サイトのキャスト欄にも名前が載る重要キャスト。何頭もいるのではない、チョチョ1頭の熱演だ。必見。

大災害が2割増し

人間は動きを制限され、相手は自由に動き回れる。

このパターンは、『エイリアン』の例を出すまでもなく王道だ。

その相手がワニという、動物園でお馴染みの顔と来ている。

つまり、実感として想像しやすい。

 

さらに胸に迫るのは、闘うのが親子という点だ。

人は生死に向き合うと過去を振り返るものだが、まさにそれ。

それどころではないタイミングで、回想シーン。

だが、それがポイント。

 

近年、日本でも台風は大型化しており、他人事ではない。

湖や川が氾濫する水害の怖さも生々しい。

 

パニックなのである。

が、人間の営みなのである。

女子が頑張り、ワニが徘徊し、犬が踏ん張り、水は大量。

彼らはどれだけの水を飲んだだろうかと想像するだけで、溺れそうだ。

 

予告編


カチンコスクリーン

 

※当記事は個人の感想でございます。情報に誤りがございましたらご一報いただけますと幸いです。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ←記事がお気に召したらクリックして下さいませ。

←←ポチッとこちらも参加しています。

 

色んな映画を観ています↓ブログ内の記事索引です。

宇宙人 映画タイトル50音順

 

 

『クロール 凶暴領域』
Crawl
2019年/アメリカ/87分
監督・製作:アレクサンドル・アジャ
製作:サム・ライミ
出演キャスト:カヤ・スコラデーリオ、バリー・ペッパー、モーフィッド・クラーク、ロス・アンダーソン、チョチョ

 

   ブログランキング・にほんブログ村へ