熱戦で熱線で高温
大興奮である。
スクリーンが溶け出す勢いだ。
真っ赤である。
燃えたぎっている。
熱い。熱気だ。
とても熱いので汗をかいたのは、当方がババアだからという理由ではないと思われる。
『GODZILLA 怪獣惑星』から始まった、アニメーション版のゴジラ３部作。
その、第２部。
前作でガッカリされた方も、ぜひ、ご覧いただきたい。
これ、ゴジラなの？という戸惑いにも満ちていた１作目から、大いなる進展。
ゴジラに占拠されてしまった地球に、人類が２万年ぶりに帰還。
人類は死滅したと思われていた。
だが、しかし…
地表に降りた先遣隊と協力者、彼らとゴジラの実戦が始まる。
はっきりと、ゴジラの系統が感じられる。
初代ゴジラからの流れが、脈々である。
あの時のゴジラや、あの時のあの怪獣たちを思い出す作り。
というのも、シーンやセリフに、特撮時代がなみなみと注入されているからだ。
まさに、この機を逃していない。
予告編で触れられていたメカゴジラの使い方も、だ。
え？ え…！ えええええええ！
と、度肝を抜かれた。
そういうことなのおおお！？という驚き。
おそらく、酷評されている方はこの点で納得されていないのだろう。
当方、大納得。
これが、２万年という時の流れである。
むしろ、よくまあ、こんなアイデアを思いついたものだなと感嘆だ。
スタッフとキャストは絶妙
『GODZILLA 怪獣惑星』の時に予想したことがドンピシャに当たり、当方、大喜び。
ほら、『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄の原案・脚本だから、ほら、第２部からが本気でしょう、そうでしょう。もちろん、１部から本気には違いないけれども。
焦らし戦法に引っかかるのが、毎度、もはや快感。
ゴジラが大好きな瀬下寛之監督と、ゴジラをほとんど観ていないという静野孔文監督。
このバランスが、おそらく、特撮実写とアニメの橋渡しとなっている。
これまでにないゴジラを創造するのだから、自由度は重要だ。
声優陣は一人ひとり触れていたら日が暮れるほどの、オールスターキャスト。
ハルオ役、宮野真守の真摯な必死さ。
メトフィエス役、櫻井孝宏の信念には、耳からヨダレが出ます。すみません。
ユウコ役、花澤香菜がいつもながらの上手さ！
ガルグ役が猛烈に印象深い！ さすが諏訪部順一！
音響（本山哲）が素晴らしく、地鳴りのように劇場が震えた。
ビリビリとシートが振動した。４D上映でもないのに、だ。
特撮を受け継ぐ系譜
何に触れてもネタバレになってしまうので、苦渋なのですけれど。
特撮初心者で恐縮ながら、近年、シネマパレでの上映や、映画会の皆さんのオススメで特撮映画を観ているのですけれど。
小柄な女性たちが登場するだけで、胸が躍る。
ゴジラ界における決めセリフの登場に、盛り上がる。
端々に、特撮魂が受け継がれていることが分かる。
そうして、小ネタに気づくたびに、お…おおおおおおお！と興奮するわけだ。
『シン・ゴジラ』10回鑑賞はもちろん、『ゴジラ』『ゴジラ対メカゴジラ』『ゴジラVSモスラ』『モスラ』『怪獣総進撃』といった、ゴジラファミリーの映画を観ていてよかった。
第１部に希望を見い出していて、よかった。
期待は裏切られなかった。
作画も向上したように見えて、感激。
メカゴジラを作り出したナノメタル。
宗教的な観点。
圧倒的な強靭さ。
地球に存在する頂点。
絶対神のようなゴジラ。
初めて目にする光景でありながら、戦略も諍いも、極めて自然な人間の思考と営みである。
第３部に向けて、どんな形で、何が登場するのか。
はたまた、何が登場しないのかと、以前にも増して期待が膨らむ。
楽しみで仕方ない。
ゴジラが吼える。
待ち望んだ以上の咆哮であった。
体が熱くなる。劇場が、燃えるかと思った。
スクリーン（TOHOフリーパスポート）
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2018年・日本
監督：静野孔文、瀬下寛之
原案・脚本：虚淵玄
キャラクターデザイン原案：コザキユースケ
プロダクションデザイン：田中直哉、フェルナンド・パトゥリ
CGキャラクターデザイン：森山祐樹
造形監督：片塰満則
音響監督：本山哲
音楽：服部隆之
主題歌：XAI
アニメーション制作：ポリゴン・ピクチュアズ
声優キャスト：宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴、諏訪部順一、小野大輔、三宅健太、堀内賢雄、中井和哉、山路和弘、上田麗奈、小澤亜李
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