ライトオフ

 

 

今から4年前にネットにupされたショートフィルムがある。

2分半の動画で、あっという間に再生回数1億回を超えた。

 

家屋の居間や廊下で、電気を消す。

と、バケモノが現れるのである。

驚いてチビる出来栄えであった。

万国共通の恐怖である。

 

これはいい!と想像して観た結果、これは少し…思ったのと違う…

ジワジワと静かに襲う心霊かと、楽しみに観たところ。

実に、大騒ぎ。

うむ。

ウギャーでワチャーでドッタンバッタンである。

うむ。

 

戦慄の間隙とか、正体を探るハラハラとか、そういうものは無い。

怪異はあっさりと登場し、あっさりと様子が分かる。

むしろ、そこからの葛藤である。

ファミリーの闘いだ。

うむ。悪くない。

 

 

 

動画を作ったのは、当時無名だったデビッド・F・サンダーバーグ監督。

その本人が、ホラーのプロたちと共に長編映画化したのが今作だ。

お顔を拝見すると、36歳と思えぬ熊男スウェーデン人。

新作『アナベル 死霊人形の誕生』も早く観たい!

 

3分弱に詰め込まれた要素を広げた脚本は『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のエリック・ハイセラーか!

 

大騒ぎに納得したのは、ホラー王子ジェームズ・ワン製作だからだ。

怪異の正体のアイデアも、この人。

徹底して、悪魔設定に逃げない男。好きすぎる。

 

主演女子テリーサ・パーマーと、母親役マリア・ベロがよく似ていて説得力。

 

弟役ガブリエル・ベイトマンが良いのだけれど、ハリウッドの子役レベル高っ!

 

オリジナルフィルムに登場していたロッタ・ロステン

 

当ブログ直近3記事がベンジャミン・ウォルフィッシュ音楽というミラクル!売れっ子か。

 

 

 

こうしてみると、大騒ぎも納得のメンツ。

焦らし、などというものは、ポイーである。

あまりの勢いに、2度ほど笑ってしまった。

 
日本のホラースター、貞子の影響もそこここに。
MAMA』にも似ており、暗闇でうごめく何者かで恐怖を煽る。
光の明暗と、精神のそれをシンクロさせてもいる。
 
悪魔というのは欧米にとって根源的である一方で、ストーリーは膨らみにくい。
ところが、心霊系を使うと、さあ、どうでしょう。
いかようにもエピソードを継ぎ足せる。
オカルトの奥深さは、そこにある。
 
かくして全編、分かりやすいインパクトの畳み掛け。
けれど、終盤は印象が変わった。
え…えええ…と絶句してしまった。
…ええええ…と、のけ反ってしまった。
 
ドキドキホラーを観てスッキリするはずが、思惑が外れた。
なるほど、プロの仕事だ。
それでもやっぱり、ジワジワも観たかったけれども。(小声
 
 
↓オリジナルのショートフィルムです。ドッキリが大丈夫な方はよかったら。
 

(©ponysmasher

 

 

映画 WOWOW

 

『ライト/オフ』
Loghts Out
2016年・アメリカ
監督:デビッド・F・サンドバーグ
製作:ジェームズ・ワン ほか
製作総指揮:ウォルター・ハマダ ほか
脚本:エリック・ハイセラー
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演キャスト:テリーサ・パーマー、ガブリエル・ベイトマン、ビリー・バーク、アレクサンダー・ディペルシア、マリエ・ベロ、ロッタ・ロステン

 

 


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