死霊館 エンフィールド事件

 

 

無私である。

夫唱婦随である。

ホラーなのに、だ。ぃや、ホラーだから、だ。

人間が恐怖に直面した時に立ち現れる勇気であり、慈悲である。

 

ホラーは観ないという方も多いかもしれない。

けれど、これは素晴らしい映画です。

もちろん、とことん心霊だ。

怪奇現象であり、超常現象の極みだ。

 

イギリスのある家庭で起きた、ポルターガイスト現象。

過去のオカルト事例において、最も物証も目撃者も多い事件。

そう、これは実話である。

『悪魔の棲む家』の元ネタ実話、アミティビル事件を米国優勝とするならば。

心霊大国イギリスの優勝は、このエンフィールド事件だろう。

 

家具がひとりでに動き、物が飛ぶ。

家族が豹変。

心も家屋も破壊され、自分たちではどうにもならない。

そんな時に呼ばれるのが、心霊相談請負人・ウォーレン夫妻だ。

 

人のために身を投げ打ち、人を信じきる。

これは心霊でなくともあり得る話で、壊れそうな家族を救う人々の信念のストーリーでもある。

 

 

 

エド&ロレイン・ウォーレン夫妻の愛が素晴らしく、相変わらずの美しさ。

演じるパトリック・ウィルソンベラ・ファーミガの必死さに、胸を打たれる。

 

霊障に苛まれる美少女マディソン・ウルフが、大変な熱演!

マディソンに出会えて今作は成功したと、監督が話す通りの逸材。

 

登場人物は皆、実在のご本人に似せた衣装メイク。

霊を信じる調査者役サイモン・マクバーニーが、印象深い。

 

監督は、ホラー王子ジェームズ・ワンである!

オカルトを公平に捉える視点から始まるので、懐疑派にも見やすいだろう。

事実と、映画的なフィクションをバランスよく配置。

屋内とは思えぬスペクタクルは、いつもながら!

あらゆる方面に同情させてしまう組み立ても、グッと来る。

 

 

 

愛と戦慄である。

サスペンスとしても秀逸。

ウォーレン夫妻が活躍する『死霊館』シリーズ中、最高。

ぃや、もっとだ。

『ポルターガイスト』に並ぶ、心霊エンタメ映画の傑作かと思う。

 

欧米ならではの分かりやすい怪異の数々と。

翻弄される人々と。

家族を守るということだ、だから、とても力強い。

 

 

 

ちなみに、作中に登場するアミティビル(アミティヴィル)事件も、ある家族が新居で巻き込まれた怪奇現象だ。

こちらもウォーレン夫妻のお墨付き。

だが、後に、真偽をめぐって騒動が起きた。

事件の顛末を書いて世に広めた作家が、金儲け狙いの作り話だと証言したのだ。

 

もっとも、当の家族はウソ発見器で偽証無しの判定となった。

それでも、次の入居者には何も起こらなかったこともあって、懐疑派も多い。

 

一方、大量の記録が残されたエンフィールド事件は、信憑性が高いとされている。

100あるうちの99が疑わしいとして、1つが説明不可能であれば、十分。

そんな確率のオカルト界で、異例の真実味。

事実は、体験者にしか分からない。

 

 

(↑【独占映像】『死霊館 エンフィールド事件』のモデルとなった女性が語る実際の“ポルターガイスト”と“ウォーレン夫妻”[ホラー通信]より

 

なお、今作のビジュアルやエピソードの多くは、記録に基づいて忠実であった!

と、オカルトマニアババア(当方)が鼻血ブーしながら申しております。

 

 

 

 

映画 WOWOW

 

『死霊館 エンフィールド事件』
THE CONJURING 2
2016年・アメリカ
監督: ジェームズ・ワン
原案・脚本: ジェームズ・ワン 他
出演キャスト: ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、マディソン・ウルフ、フランシス・オコナー、フランカ・ポテンテ、ローレン・エルポジート、パトリック・マコーリー、ベンジャミン・ヘイ、マリア・ドイル・ケネディ、サイモン・デラニー、サイモン・マクバーニー 

 

[関連作品]
ジェームズ・ワン監督⇒ インシディアスインシディアス 第2章死霊館アナベル 死霊館の人形(製作)、ダークハウス(製作)

 


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