東京理科大経営学部 移転問題 | 久喜市議会議員 貴志信智(きし のぶとも)オフィシャルブログ「FROM HERE!」Powered by Ameba

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久喜市最年少久喜市議会議員
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市議会議員になっておよそ2か月。初議会である「6月定例会」も終盤を迎えています。

詳細は後日ご報告いたしますが、初の「一般質問」も無事終わり、議員としての一歩を踏み出すことが出来ました。


「一般質問」・・・市政に関して、市議会議員市の執行部へ質問すること。質問に対する答弁は一定の責任を伴う。まさに市民の皆さんの代弁者としての本領発揮の場!


今日から駅でのご挨拶も再開。

やはり「選挙の前と、選挙の後で行動が違う」というのは、政治が信頼を失ってきた要因の一つ。

今後も、選挙前と変わらぬ活動を継続して参ります。


さて、6月定例会直前に飛び込んできた

「東京理科大久喜キャンパス全面移転」のニュース。


大学の理事会決定が7月とのことで、未確定要素を含むため個人的な発信は控えておりました。しかし、新聞報道等で広く周知がなされたことから、ブログでも取り上げるに至った次第です。


【理科大移転問題を巡るこれまでの経緯】


・1993年 久喜市からの40億円の助成を受けて、久喜キャンパス設立


・2012年 理科大から久喜市へ久喜キャンパスの全面移転の要請


・2012年 久喜市の反対を受け、2016年4月より毎年1年生のみのキャンパスとして存続することに合意


・2014年 2012年の決定を反故にし、2016年3月をもって全面移転の要請(常務理事会にて決定済)

【久喜市の主張】

・設立から20年あまりでの撤退は早すぎる


・2012年の合意から2年あまりで、合意を反故するのは道義的問題がある


・理科大の土地は「教育用地」として開発しており、教育機関以外は設置できない。経営学部が撤退するならば、付属高校等、新たな教育機関の設置を検討してほしい


【理科大の主張】

・久喜では学生が集まらない


・建物の減価償却費としての会計上の負担は今後80億円にのぼる。
久喜での存続が見込めないのであれば、早めに手放したい


・久喜からの助成に対する設置義務は履行済みであり、存続期間に関する取り決めは当初から契約にない



私は市議会議員として、久喜にお世話になった卒業生として、理科大の移転に関しては断固反対の立場であることは言うまでもありません。


しかし、理事会は大学の最高意思決定機関であり、7月に行われる「理事会の決定」は大学にとっての最終決定となります。


市議会や久喜市は、理科大の「決定」に対し、ストップをかける権限がないのも、悔しいですが事実なのです。


本来は「決定」がなされる前に、10年単位で手段を講じなければいけなかったのですが、交渉のテーブルにすらつけなかったのが残念でなりません。


とはいえ、理科大誘致は多額の税金を使ったプロジェクト。


久喜市として最大限の交渉を今後も続けることは当然です。

「今から出来る」ことは全てやる、というのが基本姿勢となるべきではないでしょうか。


私は、久喜市として今後目指すべきは


・公金をかけて設立したキャンパスが「空」になるのを防ぐこと


・理科大と関係改善につとめ、今後の久喜キャンパス活用法について協力体制を築くこと


であると思っています。


同時に、今後も教育機関の誘致を狙うのであれば、これからの4年間は


久喜市として、今後参入の可能性を持つ他教育機関へのプレゼンテーションのタイムリミットであるとの認識を持つべきではないでしょうか。


理科大とのやみくもな対立は、久喜と新規教育機関の距離を広げるだけ。

それよりも今後も、内外へ久喜に大学を設置するメリットを発信し続けるべきです。


そして久喜市として、まず認めるべきは、大学誘致後、ここまでの大学との連携施策が十分ではなかったこと。


一応の連携策はあっても、単発や臨時的なものばかり。「産学共同研究!!」など施策を打っても実施例がゼロのケースもあったそうです。

他地域では、

「地域の大学生に家賃を補助し、高齢化が進む団地への居住を進め、地域活動を盛り上げる」等

大学生の定住を狙った施策が実施されています。


一方で、私の在学中から、理科大生の多くは久喜に住んでいません。

地方から出てきて久喜に住まず、大宮に住む友人もいました。


「自宅→久喜駅→バス→大学」

が無機質に繰り返される現状では、残念ながら久喜市へのメリットは大きくないうえに、学生と久喜の絆も強くなりません。


私自身も久喜に住んでいたからこそ、学校ボランティアや野球、ソフトボールを通じて多くの大切な方と出会うことが出来ました。


久喜にある多くの企業に対しての支援に関しても、同様です。 


毎日大きなバスで、久喜駅を拠点に工業団地へのピストン輸送が行われているのが現状。

あのバスに乗る皆さんが、そのまま久喜に住んでくれるのが、本来の理想なのです。


大学にしても、企業にしても、誘致をしたらそれで終わりではなく、その土地にしっかりと根付くように、定住を狙う施策こそが必要ではないでしょうか。


今後のシティプロモーション政策において、「定住人口」の増加策を柱にすべきと考えています。


「都市間競争」との言葉が流行し、久喜においても20代30代人口の壊滅的減少が予想される今、こちらも残された時間は多くありません。


議会活動を通じて、しっかりと発信・提案を続けて参ります。