不憫寄りでお送りいたしました | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

初めましてもお久し振りも以下略しましてごきげんよう、犬江親兵衛/媼内/河鯉孝嗣を演じましたこつぼです。何も考えずにピアス穴を増やしてしまったが故に次の出番までに穴が完成していることを願うばかりの日々です。

そして『八犬伝の話が(もっと)したい!』お越しくださった皆様、ありがとうございます。また厳しい時世になってきてしまいましたが、久し振りにお客様の顔を見ながら(もちろん適切な距離は保った上で!)演じられる喜びを噛み締めておりました。

前回公演をご覧の皆様はお気づきかもしれませんが、今回の親兵衛は出る出る詐欺……もとい物語の進行速度の都合上、メインの出番は次回に持ち越しとなりました。毎回公演時期が冬と寒いので、そろそろ成長した姿の方で出演したいものです。
媼内に関してはまさかの再登場。皆様、彼のこと覚えていらっしゃいましたでしょうか。今まで散々悪事を働いてきた彼ですが、流石に最後の蹴られ投げられ踏みつけられる姿は稽古場でも「なんか可哀想」との評でした。たぶん役者の所為です。
孝嗣は自分の演じる役にしては珍しく熱く真っ直ぐな青年だったなァと思います(+生意気属性なことが多いので……笑)。悲しい誤解で父も蟹目さまも失ってしまった彼ですが原作ではその後も出番があったようなので、キシャ八犬伝でも強く逞しく生きて欲しいものです。

……とまあ、今回はなんだか字面だけでは可哀想な役回りばかり演じていたような気がしますが、物語もいよいよ佳境、次回以降の親兵衛の活躍を是非楽しみにしていただけますと幸いです。


ちなみに今回も犬士の身に着ける珠のデザインを担当させていただきました。新たに大角の数珠風ブレスレットと道節のアンクレットが仲間入りです。お見送りができない状況でしたので細かいところまではお見せできませんでしたが、状況が落ち着きましたら是非他の犬士と一緒にそれぞれの個性を楽しんでみてください。
さてはて親兵衛の珠はどうなることやら。


次回は七月に『曽我物語』の再演を控えております。また皆様と劇場でお会いできることを願いつつ。
ありがとうございました。