だいたい、ずっと、おびえてた。 | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

初めましてもお久し振りも以下略しましてごきげんよう、本番翌日に真っ先に髪を切りました小坪です。おかえり刈り上げ。

『朗読劇 聖の帝―古事記・日本書紀より』厳しい情勢にも関わらず劇場に足を運んでくださった皆様、配信を購入してくださった皆様に厚く感謝申し上げます。

 

 

「台本をPDFにして色つけたいんだよね」

「ゑ」

遡ること数ヶ月前にそんな話を聞きました。劇場を見た方はお分かりだったかもしれませんが、今回は朗読劇ということもあって会場はコンパクトかつシンプル。そもそも造り的にそんなに凝った照明にできないし何より今回はいつもプランを担当してくださっている師匠ことT氏が不在。やるしかないのです、私が。

と、まぁそんな感じで試行錯誤の末に出来上がったタブレット台本とLED照明の君組み合わせ、如何でしたでしょうか。台本は色が綺麗に顔や服に反射しつつ役者が読みやすいように調整を繰り返した中々の力作でございます。グッズとして購入もできますので配信のお供に是非。

購入はこちら:https://kishax4.booth.pm/items/2156817

ちなみに少人数興行だったため本番直前に各回で出番のない役者やスタッフさんに照明オペをお願いするという暴挙。本当にごめんなさい、ありがとうございます。

 

 

照明の話ばかりしてしまったので役者の話も。

自分の出番は五回中三回分でしたが、異例の全回配役シャッフルということで他の役者が既に述べていた通りどの回も違った仕上がりになりました。

 

菟道稚郎子。客として観ていた初演時は千野さんが演じていたので今回はそりゃもうプレッシャーだったのですが、オンラインとはいえ比較的稽古回数が多かったのもあって良い感じに演じられました。

一番絡みの多い兄上(大鷦鷯)は初回が千野さん、二回目が優さん。初回はなんかもうとにかく兄上とお互いに話が通じなさすぎてヤバいし妹たちも味方じゃなかったしでとんだ地獄。そりゃ襲津彦の剣が唯一の救いに見えるし死にますわ……という気持ちだし(死んだ後は妹たちがしっかり復習してくれたのでちょっとスッキリしました)、二回目の兄上は悪意がなさすぎて逆に怖いしでずっと怯えてました、生前は。兄上の幻覚が楽しかっただなんてまさかそんな。

自分で考えたLEDの操作する羽目になるとは思ってませんでしたけど!

 

磐之媛のことは忘れてください。

……いえ、まぁその、よりによって最終回の飛び道具として組み込まれた配役でしたが、自分の中の少女性が失われていたことを改めて実感しました。椅子に座る時は脚を閉じなさいとまずそこからです、はい。女装つらい。父上ほんとに無理して大鷦鷯と結婚させてくれたんだろうな、という全五回中で最弱の磐之媛でした。最後も八田に怯えてましたし。

 

 

終わってしまえば良い思い出ですがオンライン稽古やら作業やら今回も忙しない公演でした。きっと次回もこんな調子なのでしょう。

十二月の記念公演『花にあらず』今度は劇場で皆様とお会いできることを願っています。

あともうちょっとだけ続く『堤中納言物語の話がオンラインでしたい!』も引き続きよろしくお願い致します。

それでは。