ダメンズウォーマー | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

先日は貴重な休日のお時間に足をお運びいただき、誠にありがとうございました!
中宮役を務めさせていただきました、新田です。

源氏公演後、劇団活動も産休、育休に入り、2年ぶりの出演となりました。
常に子連れでの稽古参加。稽古場を駆け回る娘、発声のいい泣き声、稽古に来たのにほとんど稽古場におらず外の公園にいる父母、などなど、思い出せるだけでも、稽古してたのかなんなのか、みたいな日々でした。
劇団としても子持ちの役者をかかえての稽古は初めてのことだったので、色々と大変だったと思います。そんな状態でも温かく配慮して、座組の中で過ごさせていただき、客演さん、助っ人のスタッフ様方、並びに劇団員には感謝してもしきれません。
また、稽古やリハ、本番のために、付き合ってくれた娘にも大変感謝しています。おかげさまで、また演じる楽しみを味わうことが出来ました。あとでベロベロ甘やかしておきました(笑)


さて、役としては、思い悩む人々が多い中、人生充実して実に楽しい中宮ライフを送らせていただきました。
なんたって、強い後ろだて、すでに出産立坊済みの東宮、中宮という地位、平安時代的には余すことなく手に入れた勝ち組です。
可愛い女の子たちを侍らせて、サロンを楽しみ過ごし、弟や夫(帝)を可愛がる毎日です。

そう、世間的にはどうかと思う弟・内大臣(大納言)も、気持ち悪い7割の帝も、中宮にとっては母性愛くすぐる比護対象。
いままで浮いた噂のなかったデキル弟の本気の恋は応援してあげたいし、語る話はリアル物語!「素敵!応援したい!」となりますし、うじうじ帝も、思い悩むところが可愛いわ、って感じでもはや母の境地が混じりかけ(だからたぶん義母とは仲良くない(笑))、そっと失恋したその頭を撫でてあげたくなる、そんな気持ちでした。
地位が安定してるからこそ、また、当事者たちの一大事を「物語みたい」とか言っていられる外側の人物だからこその余裕がありました。

いや、但馬の守の娘(中の君)の話してる内大臣のキラキラ笑顔、可愛いんですよ?
どんな人なのか聞いたら、微笑んで中の君のことを「光輝くとはこのことだ」と語る帝の表情も愛おしいものだったんですよ?

まあ、私個人としては、どちらも願い下げなダメンズですが(笑)、中宮としては二人をとても慈しんでいたつもりです。

そんな感じで楽しい、可愛い、愛おしい、という気持ちがほとんどだったためか、出番が全て終わったあとはゲネ、マチソワとも毎回「あー楽しかった!ハッピーエンド✨」みたいな気持ちになっていたので、本編のラストを袖のモニターで見ている時の舞台上の空気と私の中の気持ちの乖離が凄まじかったです(笑)「あれ?この話、ハッピーエンドじゃなかったのか?」みたいな(笑)


ともかくも、そんなちょっと舞台全体とは違っていたハッピーオーラをちょこちょこと皆様にも感じていただき、重い話の中で清涼剤的な役割を果たせていたのなら良かったのですが、いかがでしたでしょうか?


次回は絵空箱という、よりお客様に近い場所での「八犬伝の話がちょっとだけしたい!」です。
またお会いできる機会があることを願いつつ、この辺りで締めさせていただきます。

ご来場誠にありがとうございました‼️