寄り添う蓮花 散る蓮花 その後 | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

後三年記公演、ご来場ありがとうございました。
衣女役 (兼 衣装 兼 宣伝美術)、かなざわです。

なんですかね。
今回はもうただただ劇団と関係なく私的にバタバタしすぎて、
色んなことがギリギリで、色んなとこにご心配をおかけし、
本当にごめんなさいありがとうが率直な感想なんですが(苦笑)

そんな中、今回の後三年記公演は
なんというかものすごくパワーのある公演だったなと、思っています。

ストーリーとしては滅びに向かっていく物語かもしれないけれど、喪失の物語なのかもしれないけれど、
彼ら登場人物には、力の限り生きてる命の奔流みたいなものがあるというか。

(……いやまぁね、一方で皆さまバンバン死にますけどね)
やっぱりこれこそ軍記もの!というべきなのか
戦いや厳しい風土に身を置いてる者だからこそなのか。
平安王朝ものとかとはもう、生命の熱量から違う感じ。

冒頭の通り割と疲弊した状態で小屋入りした私ですが、
そんな役者陣の舞台での生き様と、
それを支えてくれた音照映像スタッフ陣の激熱い仕事っぷり!に
押し上げられたというか、元気というか気力というか、
ものすごくパワーをもらって成り立ったと思っています。
劇場が大きくていつもより皆がちょっと声を張ってたからとか
そういう物理的な話ではないですよたぶん(笑)

あとストーリーだけ追うとあまり救いのない話が、
それでも後味があまり悪くなく(と思ってるのですがどうでしょう)、仄かに残る希望のようなものすら感じられたのは、
今回ついに初主演を果たした久保田さんと、
ヒロイン一木千洋ちゃんの功績だなとか思ったりなどして。
↑もはや一観客の感想。
(舞台裏と楽屋にモニター入ってたので、出番以外は普通に観劇した笑)

あの2人には希望の匂いというか生命の強さを感じます。
まぁその子供は千野基衡に殺されちゃうんだけどモニャモニャ。
でも陸奥話記で寄り添って咲き初めた蓮花が、
後三年記を経て一花で淋しく散りゆくのだとしても、そこに種は残って。

それは深い眠りの後に、平泉の地で再び花ひらくから。
だから散る花も未来へ繋ぐ希望です。何ってチラシの話ですよ。

しかし今回の客演さんたちはみんな、稽古場でも舞台裏でも、
悲劇がちな脚本をものともせず、明るく盛り上げてくれました。
真夏に衣装がブーツに毛皮でどんなに暑かろうと、
文句も言わず大変ありがたかったです(まぁ文句言われたところで着せるけど……)
もはやうちの旦那(真衡)とか、服毒して苦しみ転がってるトコに駆け寄ると、たぶん死因は毒じゃなくて熱病でしたねってくらい身体熱かったですからね(笑)
毎回稽古場で開催された変なTシャツ選手権を始め、大変楽しい座組でした。
ありがとうございました。


次回は全く毛色の違ったお話のようです。
どんな座組で、どう関わらせていただくことになるのやら。
出来ればもう少し落ち着いて携われるように頑張ります(笑)


またのご来場 心よりお待ちしております。


かなざわれいこ