みんなで作りあげた舞台 | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
関です。私にとっては、今回が初出演・初舞台、なにもかもが初体験でした。
 
まずは、観にきてくださった皆様、職場や学校・SNS等で話題にしてくださった皆様、本当にありがとうございました!
 
楽しんでいただけましたでしょうか?
 
今回私は、
「菊花の契」の赤名丹治(:赤穴宗右衛門を尼子に売った悪役)、
「浅茅が宿」の児玉嘉兵衛(:勝四郎を助ける面倒見がいいおじさん)、
「吉備津の釜」の井沢庄太夫(:イケメンくずを一人息子に持つ怒りっぽい親父)
の3つの役を演じさせていただきました。
 
赤名丹治はセリフが一つしかなかったので、一言でどれだけ悪役感を出せるか、表情や身じろぎ程度の動きのみで感情の機微(警戒心・怒り・怯えなど)をどこまで伝えられるか、がテーマでした。
個人的には、水戸黄門や暴れん坊将軍(たとえが古いですかね…)に出てくる悪代官をイメージしていました。
 
浅茅が宿の児玉さんでは、勝四郎がついつい長居したくなるような居心地のよさを出すよう心がけました。
 
そして吉備津の釜の庄太夫。お客様に絡みに行くシーンなんかもあって、とてもやりがいのある役でした。
基本怒りっぽい頑固親父なんですが、この親にしてこのクズ息子あり、というような、息子に通じる軽い感じや女好きな感じを所々に織り交ぜることを意識していました。
 
なので、観客の中から『素敵なお嬢さん』を探すシーンでは、ノリノリで毎回セリフを変えたりしていましたし、磯良ちゃんが姑に尽くしてくれるシーンでは思いっきりデレデレさせて貰いました!
 
まぁ、磯良ちゃんに肩を揉んでもらって嬉しそうなのは、半分素ですが。(笑)
 
そんなかわいい磯良ちゃんを泣かせる正太郎のクズっぷりは、我が子ながら?本当に頭にきましたね!
今回、一日3公演でしたが、回を重ねるごとに怒りのボルテージは上がり、夜の公演の正太郎に激怒するシーンではいつもより高く持ち上げてみました!
吉備津の釜の冒頭で、語りの東君に食って掛かるシーン、正太郎を持ち上げるシーン等、おやじが怒っているはずなのに笑っていただけるお客様が結構いて、怒りの中にもどこかコミカルさを感じていただけたなら、狙い通りというか大変嬉しいです。
 
そして、私に限らず役者陣の誰もが、回を重ねるごとにどんどんテンションが上がっていった気がします。
そんな役者陣を盛り立てていただいたのは、間違いなく観客の皆様の存在だったと思います。
 
今回、役者と観客の距離が非常に近かったこともあり、悪霊となった磯良への恐怖感や、怪異小説にも関わらずところどころで巻き起こる笑い等、舞台を見つめる皆様の熱気に煽られるかのように、役者陣の熱気もどんどん増していったように思います。
さらにありがたいことに、2回・3回と観に来て下さる方もいたりして、そんな方々がリピーターになってよかったと思っていただけるように、という思いも役者陣にとって、いい意味でのプレッシャーとなっていた気がします。
 
皆様に引っ張られてテンションを上げていく役者の先輩たちにも触発され、私も初舞台でありながら、程よい緊張感の中でとても楽しく演技させていただくことが出来ました!
 
また、そんな舞台に華を添えてくれた、そして役者陣の心のスイッチを見事なまでに切り替えてくれた照明・音響・映像・舞台設営等のスタッフにもこの場をお借りして感謝したいと思います。
 
役者・スタッフ・観客の皆様、みんなで作り上げた舞台だったと心から思っています!
 
「皆様に今度お目にかかるのは、劇場か、はたまた地獄でか」というエピローグの台詞がありましたが、ぜひとも、また劇場でお会いしましょう!
 
その日を楽しみに、本日のブログはここまで。皆様、本当にありがとうございました!!
 
関 善之