少しずつでも前に | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
脚本家です。
……あ、役者としては源義経を演じました。
千野です。

ご来場下さった皆様、応援して下さった皆様、
この度は本当にありがとうございました。
感謝の気持ちは、次の作品を作り上げることで示させていただこうと思います。

さて。
出演者たちが思い思いに書き綴ってくれました。
……私、もう書かなくていいんじゃないかな?笑
言いたいことは、大体誰かに言われてるし。
と思うのは、もう気持ちが次に向かっているからでもあります。

それでも回顧すると。

もともと、『義経記』というのは、かなり前から構想のあった作品でした。
台本自体は昨年6月に上演した『曾我物語』と並んで書いていましたし。
だから一昨年の夏にはあったのかな……?
しかし、役と殺陣が多いので上演を諦めていたのでした。
(当時はまだマトモに殺陣をやっていなかったし)
それが、どうにかこうにか形にはなりました。
劇団として、ほんの少しぐらいは前に進めたのかな、と思います。

様々な面での演劇的・技術的な拙さは、自分たちもよく分かっています。
それでも、『義経記』という文学作品や、それを取り巻く歴史状況に、
一つでも、「へえ!」と思っていただける何かを示すことができたなら。
そういう思いで、拙いなりに、作って参りました。
なんだか色んなことが足りていないけれど、頑張るんだ!
って、『義経記』の描く義経たちとも重なりますね。

個人的には。
慣れない「元気いっぱいおバカ」に苦戦しました。
最終的には、全力で家来たちや嫁さんを愛そう!
という感じでやっていましたが。
何でも全力、だからこそ不器用、みたいな。
(……愛妻家設定が全力すぎて嫁さんにはだいぶ迷惑かけました)
どうなんでしょう。
そんな中でちゃんと愛されキャラな義経になっていましたかね……?
私の、というか、キシャの義経。
どんなふうに映ったでしょうか。

ともあれ、あれが我々なりの『義経記』という作品でした。
皆様の心に、少しでも何かが残ったなら幸いです。