「今ある(できる)技術が、目指している姿に行く上で、現時点での納得できる技術なのかどうか。
指導者にはそれを見極める力が必要で、その「目指している姿」というものが、選手にも見えていて、何のための練習かを、選手が理解しているのかどうかが大事やと思ってる」
「こうなるために練習してる…と、指導者と選手が、同じ夢、同じ絵を描いてほしい」
「目先のものに囚われすぎて、本来目指すべき、見据えておくべき全体像を見失ってしまうことが、落とし穴そのものであり、落とし穴どころかアリ地獄」
「ドリブルでも、ドリブルだけに酔いすぎて、何のためにドリブルしているのかが見えなくなってきがち。これもアリ地獄。何も見えていないのなら最悪」
「ドリブルは抜くためだけのものなのか? それ以外のためにも必要だと思って、ドリブル練習をやっていたはずなのに、いつの間にかドリブルが抜くためだけのものになり、そのためだけのドリブル練習になっていないか」
「つまり、何をしようとしてボールを持っているのか。そのイメージも、選手と指導者が同じものになればいい」
「ドリブルとは、相手を抜くためのものではなくて、ドアをあけて、その先の開けた(ひらけた)世界へ行くため。ドリブルには、色んな練習が含まれている」
「ドリブルで敵を1人剥がす能力がつくことにより、他の効果も出てくる。敵を1人剥がせば、2人目のカバーリングが来ることを知り、その2人目が本来いたところにはスペースが出来ることを知り、そこにボールを入れていけば、もっとチャンスが広がり、敵がもっと困るということを覚えていく。
ドリブルの技術が上がることにより、徐々に敵の選択肢が少なくなることを知っていく」
「こういった効果を分かった上で、指導しているかどうか。分かっていないのなら、それこそ落とし穴にハマってしまう」
「技術を身につけるには、バカになること。賢いやつは巧くならない」
「予想外の早さで敵が寄せてきても、無意識に、とっさに足が動かせるようなボールタッチ。
これを身につけるには、余計なことを考えずにひたすらやり込む(触り込む)ことも必要。
賢いやつは『もうリフティング100回やったし、これ以上やっても試合で役に立たないしー』とかすぐに考えてしまうけど、バカになれれば、そんなこと考えずに『もっと出来る、もっとやる』って言ってずーっとやれる。そんなやつが、本当にうまくなる」
けど、そこにはやはり落とし穴があって、何も考えずにただボールを触るだけの選手になってしまったり、何のためのドリブル? になってしまうこともあるから」
「だからこそ、目指すところをちゃんと持っているかどうかが大事で、選手と指導者が同じ夢や同じ絵を描けているべき」
技術は、なんのために誰とために使うのか?が重要であり、大事なんだと知る。