先日の会社の飲み会

 

 

 

記憶なくしてる人もいたようだった。

 

 

 

 

まぁ、それでも、楽しんでもらえたなら良かったです。

 

 

 

 

 

また近々、飲み会することになりそう。

 

 

 

 

さて、昨日の話の続きです。

 

昨日のお話は、こちら。

 

12年前の君へ #01 高校2年生

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~#02 ファーストコンタクト~~~~~~~~~

 

新1年生の勧誘とはいっても

やることは、単に放課後を過ごしている1年生に

廊下で声をかけて、部活の活動内容を伝えて、興味を示してくれる子がいたら部室に案内する。

 

というものだ。

 

 

 

ところが、興味を持ってもらうところが一番難しい。

 

 

興味を引くことができて、案内することさえできてしまえば

後は部室で部活の体験をしてもらうことで、より入部してもらいやすくなるのだが…

 

 

 

初めから興味を持ってくれている人は、自ら部室に来てくれることが多い。

 

 

 

そのため、勧誘をするチームと

部室に残って、興味をもって来た新1年生に部活の体験をさせるチームの2組に分かれるのが一般的だ。

 

 

 

 

 

ちなみに、

運動部の勧誘は、ユニフォーム姿でボールを抱えながら、声をかけるという感じが多い。

 

 

 

 

我が自然科学部のユニフォームは、白衣だ。

 

小道具は、地域の科学館のイベントで出店するときに自作してもらうキーホルダー。

 

 

 

キーホルダーのサイズは、名刺を縦に半分にしたくらい。

 

そのキーホルダーは、サファイアやペリドット、黄鉄鉱などの小さな鉱物の標本になっている。

科学館のイベントに来た小中学生の親子に作ってもらい、お土産に持ち帰れるという代物だ。

 

 

 

 

 

「科学部」と聞くと、大した活動をしていないように思われがちかも知れないが

本校の自然科学部は、文化部の中で吹奏楽部に次いで、2番目に多く活動している部活なのだ。

 

 

 

 

 

私たちは、手あたり次第

廊下や学校の敷地内を歩く新1年生に手あたり次第声をかけていく。

 

手ごたえがある場合もあれば、全くないこともあった。

 

 

 

 

新学期になって、2~3週間は

どの部活動も新入生の勧誘が主な活動になっている。

 

 

 

 

もちろん、私の所属する自然科学部も例外ではなかった。

 

 

 

 

そんな勧誘をする日々を送り

ある時、放課後の終わりが近くなったころに部室に戻ると

部室が何やら賑わっていた。

 

 

 

 

 

どうやら、鉱物標本のキーホルダー作りを新1年生が体験しているようだ。

 

 

 

 

体験をしていた新1年生は、2人組の女子だった。

 

 

 

 

初めはどれほど珍しいことかと思った。

 

 

 

 

 

何しろこの自然科学部は、女子が少ないのだ。

 

 

 

 

 

人数を集めることも大事であったが、

女子に入部してもらうことも、重大な課題だったのだ。

 

でないと、3年生の女子の先輩が悲しみにくれてしまう。

 

 

 

 

 

部室が賑やかだったのは、この部活を気に入ってもらえるようにと

顧問の先生や他の部員たちも輪に入って、彼女たちと会話していたからだった。

 

 

 

 

このまま、この女子2人が入部を決めてくれたら、どれほど嬉しいことか。と思った。

 

 

 

 

 

そんなことを思っていると

「おっ、部長!おかえり!可愛らしい新1年生が2人も来てくれているよ。」と

輪に入っていた顧問の先生が机越しに声をかけてきた。

 

 

 

 

 

この部活には顧問の先生が4,5人いる。

今、私に声をかけた先生は、新1年生の勧誘に出発した時に背中を押してくれた先生と同じ人。

若くはないが、男女隔たりなく気さくに声をかけてくれる女性の先生。奈々先生だ。

 

 

 

 

奈々先生に招かれるままに、新1年生2人の前に座り、

彼女らの輪の中に入った。

 

 

 

 

2人とも、キーホルダー作りの途中だったが

楽しそうに周りの部員たちや奈々先生と話していた。

 

 

 

 

 

 

 

明るく受け答えをしている子は、黒より少し茶色味を帯びたポニーテールの髪の子だ。

ほとんど会話に夢中になっていて、キーホルダー作りの手が止まっていた。

苗字は、酒井さん。

 

 

 

もう一人の子は普通くらいの元気さで、真っ黒な髪のミディアムショート。

ポニーテールの子ほどおしゃべりはせず、キーホルダー作りを時折再開しながら会話に交じっていた。

苗字は、渡辺さん。

 

 

 

それが、彼女との最初の出会いだった。

~~~~~~~~~続く~~~~~~~~~