こちらの
つづきです。
無目的にまるを描いた。
誰かに見せるためでもない。
誰かのためでもない。
何かにするためではなく
描きたいからかく。
それだけのことだった。
とっても満足してSNSに投稿したら
予想以上の反響があった。
「まるのせかい」ブランドにしようよ！！
とある友達が言ってくれた。
うれしかった。
これで
あらちゃんが
生きた証を残せると思った。
さらに
自分を生かす道がここにあるような気にもなった。
自分のアーティスト活動に閉塞感を感じていたうえに
死産し、
何をしていいかわからなくなったわたしにとって
「まるのせかい」をきっかけに
できることがみつかった！！
そんな高揚感が広がった。
あらちゃんは
このわたしを使って
世界に何かをしようとしているんだ！！とも思った。
そう思うと力がわいてきた。
そこから
たくさんまるの絵を描いた。
「まるのせかい」を広げよう。
あらちゃんもそれを望んでいるから！！
と本気で思った。
商品をつくるために絵をかいた。
知ってもらうために絵をかいた。
売るために絵をかいた。
でも
思うようにうれなかったし、
ひろがらなかった。
「やっぱり無理だ」と思った。
あらちゃんは
「おかーさんはすごいんだよ」って言ってくれたけど
わたしは
全然だ。
アートは素晴らしくても
わたしがしょぼいからダメ。
わたしの性格がだめ。
「ブランドにしようよ！」と言って一緒に動いてくれたともだちとも
うまくいかなくなった。
「これもちがった。
一体わたしには何ができるんだろう」
と、また模索するようになった。
今なら
その勘違いがよくわかる。
あらちゃんは
そんなこと望んでなんかいなかったー
ということが。
つづく
