中国のアナウンサーが「業界追放」になった言い間違いとは | 如月隼人のブログ

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前に務めていた会社が業務提携していた
中国の放送局の記者兼アナウンサーが日本に出張した際に
お会いしたことがありました

その時に聞いた話です
彼女はその局の「日本語部」に所属していて
日本語能力が抜群

ということで
主に日本語で会話したました

中国の「業界事情」をいろいろ教えてもらったのですけど
なかなか厳しい競争があると教えられました

当時の日本では
女子アナが容姿とかキャラクターを重視して選ばれるようになったので
アナウンス能力が低下しているのではないか
てなことが言われていました

彼女に「中国に同様の状況はあるか? 同様の状況が発生する可能性はあるか?」
と尋ねたところ
「そのような状況はないし 今後もないだろう」
とのことでした

アナウンサー
特に全国放送を担当するアナウンサーになるには
とっても厳しい競争がある
外見がよければもちろん有利だけど
それ以前にアナウンス技術がしっかりしていないと
「話にもならない」とのことでした

それから
アナウンサーがミスをした場合には
責任を厳しく追及されることを覚悟せねばならない
とのことでした

それでもって
たった一言のミスで業界を永久追放になったアナウンサーがいる
と教えてくれました

やらかしてしまったのは
「首府」と「首都」の言い間違い
日本では「首府」と「首都」がほぼ同義ですが
中国の場合には違います

例えば
「河北省の首府である石家荘市」
てな言い方をするわけです
地方政府の所在都市には「首府」の語を使います

考えてみれば「府」という文字は
役所とか役所の所在地を示すので
「首府」と言えば
「筆頭の役所がある都市」の意味ですから
「河北省の首府」という言い方が成立するわけです
まあ
漢字の本来の意味を考えれば
中国語の方が理にかなった使い方をしています

それでもってあるアナウンサーが
「チベットの首府であるラサ市」と言うべきところを
「チベットの首都であるラサ市」と言ってしまった

中国語の「首都」は日本語と同じで
「一国の都」ですからね

「チベットの首都」と言ったのでは
「チベットは独立国だ」と言うようなもの
ということで「業界を永久追放」

もちろん
チベット独立を支持する気持なんかなくて
ついうっかり
似ている言葉を使ってしまっただけでしょうけど
政治上の大きな問題に直接関係してしまうミスと言うことで
「そういうミスはどんな場合でも絶対に許さない」という
「見せしめ」の意味があったのかもしれません