1917年
四川省都江堰
米国人シドニー・ギャンブル(1890-1968年)撮影
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四川省都江堰市灌県にある伏竜観
現在の四川省都江堰市付近を流れる岷江は古い時代
しばしば氾濫を起こして人々を苦しめた
逆に岷江から遠い地域では水不足のため農業が困難だった
現在の四川省は戦国時代(紀元前5世紀-同221年)には秦に統治されるようになった
秦出身で四川の管理責任者になった李氷が水利施設の都江堰を設けたことで
岷江は氾濫を起こさなくなり
岷江から遠い地域にも水が通じるようになった
都江堰ではその後も改良が続き
四川省は豊かな農作地に大きく変化した
人々は李氷を
治水の神様と考えるようになった
「伏竜観」は李氷を祭る宗教施設だ
創建されたのは晋代(256-420年)で
写真の建物は清代(1644-1912年)に作られたものだ
建物は現在も残っており
1982年には全国重点文物保護単位(重点保護文化財)に指定された
建物の中には1974年に川の中から見つかった
李氷の石像が置かれている
石造は後漢の時代の西暦168年に作られたもので
極めて貴重な文化財という
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ギャンブルはまだ10代だった1908年に両親と共に中国旅行をした
その後、1917年から1932年にかけて
キリスト教団体の幹部として中国に3回行き
長期滞在をして中国社会や家庭を調査した