爆竹の思い出 びっくりしたなも~ | 如月隼人のブログ

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本日は旧暦1月1日
中国では「春節」と呼ばれています
今のカレンダーの1月1日は
「とりあえず」てな具合の形式上の年越しで
春節こそが「本当の年越し」という感じです

そうそう
年の干支が切り替わるのも春節です

中国では年越しの際に
爆竹を鳴らす習慣がありました

「ありました」と書いたのは
いまでは
都市部じゃとても厳格に規制されているからです
でも私が北京にいた時期には
まだ盛大にやっていました

最初に体験した時には驚きましたねえ
旧暦の大晦日の夜になると
爆竹が鳴り始めました
最初のうちは驚きませんでした

ところが夜が更けるにつれ
爆竹の音がどんどん増える

午後11時半ごろになると
爆竹の音の切れ目が完全なくなる
バババババババ!
バババババババ!
ダダダダダダダダダダ!
ガガガガガガガガガガガガ!!
と四方八方から音が飛んでくる
音が鳴る打ち上げ花火をやる人もいて
時おり
ヒュルルルルルー
なんて音も混じる

日付が代わる午前0時ごろには
ピークになります
こちらの脳細胞も
なんか催眠術をかけられたように
麻痺してしまう

それからたっぷり30分
つまり午前0時半までは
爆竹の音が完全に連続します

さてさて
その翌年か翌々年の年越しの晩には
当時の8ミリビデオのカメラを持って
割と遠出をして撮影しました

当時は北京市部のやや南の位置に
サッポロビールが経営している
割と小さなホテルがありましてね
中国でのビジネスの可能性を探るために
経営していたそうです

さてさて
そのあたりは北京市内でも
下町っぽいところでしたから
年越しの雰囲気がより濃厚だろうと思って
行ってみたわけです

春節近くになると街頭に
爆竹類を売る屋台の店が出現します
とにかく爆竹を大量に鳴らすのですから
買う方もまとめ買い
爆竹を並べた紙包みを売っているのですけど
ちょっと長めのレンガみたいな形に組んで
全体を紙で包装して売っていたと
記憶しています

それでもってビデオ撮影をした日は
午後11時ごろだったかなあ
そのサッポロビールが経営している
ホテルの前を通りかかったら

荷を運ぶ台車に
人の胸の高さぐらいにまで
爆竹の直方体の包みを積み上げて
ホテルの従業員が出てきたのですよ

中国の企業って
割と気前よく
従業員に「現物支給」をする習慣がありました

社会主義が華やかなりし時期には
「卵の配給。一人20個」
「リンゴの配給。一人30個」
てな具合で
不定期ではありますが
いただけることがあるわけです

爆竹を運んでいたホテルの従業員に聞いたら
やはり配給で配られたもの
今から皆でやる
とのことでした

爆竹を一本ずつ点火するわけではありません

爆竹は導火線の部分がよりあわされていて

その先端を点火すると

爆竹が次々に破裂して

飛び散りながら鳴っていく


中国語では「鞭炮(ビェンパオ)」と言います
これに次々に点火するので
爆竹音が鳴りやまない状態になるのです
言ってみれば爆竹の「マシンガン」みたいなもんです

私は少し離れた場所で
撮影に夢中になっていました
すると気が付かないうちに
警察官が私のすぐ隣にいたのですよ

で私に声をかけました
もちろん中国語ですけど
日本語に訳すならば
「君はここで何をやっているのかね?」てな
具合でした

別に隠す事もないので
自分は日本人の留学生であり
中国の習慣に興味を持っている
だから記録と記念のために録画している
と説明しました

するとその警察官は
「そうか。問題はない
ただし 自分の身の安全は
自分で確保するように」
と言って立ち去ったのでした

まあ
爆竹で負傷したり
火災が発生することも多かったわけです

そうそう
爆竹については
こんなことも思い出した

最初の留学先の北京語言学院というところで
中国人学生の一兵ちゃんに知り合って
とても仲のよい友達になったわけです

実は私は
一兵ちゃんが
かなり美形の女性を好きになって
アタックしたけど振られて
しょげかえっている姿も見ているし

それから何カ月か経って
別の女性にアタックして
今度は上手くいった状況も
しっかりと見ているのだ

付き合い出したころの二人が
毎日、毎日(たぶん)
日が暮れてから北京語言学院のキャンパスを
ずうっと一緒に歩いている光景も
ちゃんと見ているのだ

一兵ちゃんがアタックして失敗した女性のように
「かなりの美形」とは言えませんけど(ごめんなさい!)
表情がとても豊かという魅力があって
しかも
正義感がとても強い人でした
まあ
一兵ちゃんはその女性と結婚することに
なったわけです

いかん
例によって脱線だ

その女性は河北省の田舎の出身だそうで
「北京の爆竹はつまらない」と言うのですよ

聞いてみると
彼女の出身地では「特大の爆竹」を使うそうで
太さは親指と人差し指を曲げて作った輪っかぐらい
長さは15センチぐらいだそうです

おいおいおい
それじゃほとんどダイナマイトだ
「危険すぎるのでは?」と尋ねたら
地面に割と深い穴を掘って
点火したらすぐに投げ込むそうです
すると「ドーン!」とものすごい音がして
火柱が上がるそうです

おいおいおい

前に聞いたことがあるそうですけど
太平洋戦争の末期に追い詰められた日本軍は
山間部の洞窟なんかに立てこもった際に
その洞窟内に細長くて深い穴を掘ったそうです
気づかぬうちに忍び寄った米兵に
手榴弾を投げ込まれた時には
その手榴弾を大急ぎでその穴に落とす
すると爆発しても被害がでないからだそうです

どこまで成功したかは知らないし
洞窟陣地の地面に転がっている手榴弾を拾おうとしたとたんに
爆発した
なんてことも多かったのだろうけど

まあ
それはさておき
中国の
少なくとも河北省の田舎では
そんなダイナマイトみたいは爆竹を
戦争の時の手榴弾処理みたいな方法で
楽しんでいたそうです