1917年
四川省・灌県
米国人シドニー・ギャンブル(1890-1968年)撮影
荷物を運ぶ先頭の牛がかなり近づいている方の写真では
牛の後ろに「輿(こし)」らしきものが見えている
「輿」は中国語で「轎」、英語では「sedan chair (セダン・チェア)」
「セダン」の語は現在ではもっぱら
自動車のタイプを示すために用いられるが
対応する中国語は「轎車」
「轎」=「sedan chair」なので
それが自動車になったと考えて
「轎車」と意訳した
もう1枚の写真で
手前でこちらを振り向く男性は
洋傘を日よけに使いサングラスをかけているように見える
また服装も洋服の影響を受けいる
西洋風の襟がある長い服に西洋風の帽子を楽しむ
「モダンボーイ」と言ったところ
この写真が撮影されたのは中華民国歴6年だが
四川省の田舎町にも
西洋文化がかなり浸透しはじめていたことが分かる。
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ギャンブルはまだ10代だった1908年に両親と共に中国旅行をした
その後、1917年から1932年にかけて
キリスト教団体の幹部として中国に3回行き
長期滞在をして中国社会や家庭を調査した