何でも調べてみるもんだ…中国語で生ビールは何という、その語源は? | 如月隼人のブログ

如月隼人のブログ

ブログの説明を入力します。

中国語では生ビールを「扎啤( Zhāpí、ジャーピー)」または「生啤( Shēngpí、ションピー)」と言います。私が北京市に滞在していたのは今からずいぶん前ですけど、「扎啤」の語が主に使われていました。上海から来た人は、上海では「生啤」をよく使うかなあ、と言っていました。

 

さて、「生啤」ならば、意味はすぐに通じる。中国語で「ビール」は「啤酒」ですから、その前に「生」をつけた。中国語は長ったらしい表現をとても嫌いますからね。「生啤酒」なんて言葉じゃ、まどろっこしくて仕方ない。だから「生啤」と言うことが多くなった。「生ビール」とは日本の言い方で、英語では「Draught beer」ですから、「生啤」の言い方は日本語の影響を受けているのかもしれません。

 

問題は「扎啤」の方です。私は北京にいた時に、「扎」の部分は「ジョッキ」の「ジョ」の音を取ったと聞いて、「なるほどなあ」と納得していた。しかし本日、ふと気になって調べてみたら、違っていた。中国語の解説ページを調べてみたら「扎啤」の「扎」は、英語の「 jar 」に由来すると書いている。

 

「ジャー」? 「ジャー」ってもともと、「広口びん」のことだったよなあ。「広口びんでビールを飲むのか。どうも妙だなあ」と思って英和辞典を調べました。

 

【 jar 】

<1>(ガラス・陶製の)広口びん,つぼ

a glass jar=ガラスのびん a storage jar=保存びん

 

<2>〔a ~〕1びんの容量(の…)(jarful)≪of≫

 

<2a>((英略式))(特にビールの)グラス1杯

 

なるほど。<2a>で使う「 jar 」に、中国語では「扎」の漢字を当てたのか。ただ、さらに気になってしまった。生ビールを飲む時には、ずいぶん大きな器も使う。いわゆる「ジョッキ」ですね。どうも「グラス」という語とは印象が違う。

 

こういう時に役立つのは画像検索です。辞書というのはしばしば、細かい部分でちょっとずれた訳語を紹介していることがありますからね。画像検索をかけてみると、実物の写真を見ることができるから、辞書の訳語の適不適を判断することができます。

 

ちなみに、本ページの上部に掲載した写真は「 a jar of beer 」で画像検索してヒットした画像です。実際に、「ガラス瓶」みたいな形のびんも使っているのかなあ。日本人が普通に「ビールのジョッキ」と認識するようなビール容器の画像もたくさんありました。

 

ちなみに「ビール・ジョッキ」なんて言う場合の「ジョッキ」は和製英語だそうです。英語の「 jug 」がなまった語と考えられているそうですけど、「 jug 」とは本来、「水差しのつぼ」を指し、ジョッキというよりも、「ピッチャー」を指すそうです。