【本】『名探偵じゃなくても』を読んで、それでもそうあることを願ってしまう | ミステリな日常。

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 あっという間に桜が咲きましたね。

 そして、あっという間に散ろうとしています。

 雨と風め……。

 

 先日『名探偵じゃなくても』(小西マサテル)を読んだ。

 以前読んだ『名探偵のままでいて』の続編。

 今回も主人公の祖父が安楽椅子探偵として活躍してくれる。

 あらすじは公式サイトから引用。

 

 クリスマス直前、居酒屋で“サンタクロース消失事件”について議論していた楓たちは、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。

 彼は、かつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子なのだという――。

 “連続自殺未遂事件”や“泣いている死体”など、楓や我妻が持ち込む不可解な謎を、レビー小体型認知症の祖父が名探偵のごとく解決する。

 しかし、その症状は一進一退を繰り返しており……。

 

 あらすじにもある消えたサンタクロースの謎を考える「サンタクロースを見た男」

 フランソワという俳優の自殺が報道され、後追いが出た原因を探る「死を操る男」

 知り合いの刑事が何者かによって殺害された。彼はビールジョッキを手にし、泣いていたように見えたのだが「泣いていた男」

 他に「消えた男、現れた男」「時間旅行をした男」というお話が入っている。

 個人的には、後半が面白かった。

 事件そのものにもハラハラさせられたが、四季の謎の行動や、祖父の状態も不安で。

 前回の『名探偵のままでいて』という祈りのような、願いのような言葉から、今回の『名探偵じゃなくても』に至り、楓にとっての、祖父の存在が大きくて。

 ラストは胸が苦しくなった。

 今後は楓と岩田と四季の関係が気になるところ。

 あの電話、あの人かな……(ぼそ

 

 ちなみに、表紙のイラストは大好きなRe°さん。

 今回は、『夏への扉』(ハインライン)が作中で触れられていたので、再読してみたくなった。

 まあ、いつものように本は実家の本棚に入ったままなんだけどね。