【本】『紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と』を読むと紙が好きになる | ミステリな日常。

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 先日『紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と』(歌田年)を読んだ。

 「紙鑑定士の事件ファイル」シリーズ三作目。

 三作目にして、やっと紙鑑定士としての存在意義が出てきたような(ぼそ

 あらすじは表紙裏から引用。

 

 紙業界誌に掲載された〝紙人32面相の推理クイズ〟と、現実に起きたという密室殺人事件との関係とは――?
 どんな紙でも見分けられる紙鑑定士・渡部は、懸賞目当てにクイズを解きながら今日も事件に巻き込まれる。
 学習塾で起きたカンニング事件の真相とは?
「さわるときけん けがするで」物騒な怪文書を作った犯人は、どうやって密室の建物に忍び込んだ?
 事件とクイズを解明していった渡部は、〝紙人32面相〟から協力を請われ、とある怪死事件の謎も解くことに……。

 

 タイトルに好きなものばかり並んでいる。

「紙」「クイズ」「密室」

 しかも、紙鑑定士シリーズだし、読むしかないでしょ。

 学習塾でのカンニング事件を扱った「クイズと密室と紙と」

 図書館に送られてきた怪文書の謎を解く「紙と密室とクイズと」

 推理クイズの目的を知ることで、過去に起きた事件へとつながる「紙とクイズと密室と」

 という三つの連作短編集。

 今回も紙などに関する薀蓄が盛りだくさん。

 紙好きにはたまらない一冊。

 事件そのものは、あっと驚くようなものではなかったけれど、むしろ「えっ、そんなことがありなのか」的な部分はあったのだが、紙は楽しめる(何

 前の作品に登場した某プロモデラーや某フィギュア原型師も少しだけ顔を出す。

 登場する場面が少ないと寂しく感じるのは、もしかして結構好きな証拠なのかも。

 真理子さんも健在!

 

 ちなみに、好きな場面は主人公である渡部が、コピー用紙の元サイズを紙片から考察するところ。

「私は全ての規格寸法を自前のゴロ合わせで諳んじているんですよ」

 すごいな!

 ここで披露されたのはB4判の覚え方。

 「帽子に粉雪。寒し」(B4257 364)

 試験に出るよ!(嘘