先日『夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神』(水野敬也)を読んだ。
『夢をかなえるゾウ』の続編である。
今回は、主人公の男性が、いきなり余命宣告をされてしまうところから始まる。
残される家族のために、彼ができることはなんなのか。
ガネーシャと一緒に現れた死神は、人間が死の際に後悔する10のことを教えてくれる。
・本当にやりたいことをやらなかったこと。
・健康を大切にしなかったこと。
・仕事ばかりしていたこと。
・会いたい人に会いにいかなかったこと。
…など。
後悔しないために、どうすればいいのか。ガネーシャは彼に課題を出していく。
そして、今回は夢をかなえるゾウであるガネーシャが、夢を手放すことについても、語っていく。
この本、実は珍しく高津くんがきちんと読むシリーズである。
「どうだった?」と尋ねてきたので、
「読むだろうから、あまり詳しくは言えないけど、主人公がいきなり余命宣告されるんだ」
「へー」
「そこから、後悔しないために、残された時間をどう生きていくのか、いつものようにガネーシャが課題を出していくんだけど」
「うん」
「うっかり、泣きそうになったよ、ガネーシャで」
「へー」
「ガネーシャで泣きそうになるとは思わなかったよ。ガネーシャなのに、今回ちょっと良い奴だったよ(謎」
「うん」
「最後、そういうことか!ってなるから、まあ、読んでみてよ」
すると高津くんは、少し目を背けた。
「どうしたの?」
「…人が死ぬ話は、ちょっと…あれかな」
結局、読まないんかい!
この気持ちを共有してもらうために、事細かに説明しようとしたが、説明途中でうっかり思い出して泣いてしまいそうだった。
すべてはガネーシャのせいということにしておこう。
さて、そんなガネーシャの課題の一つに「死ぬまでにやりたいことリストを作る」というのがあった。
やりたいことか。
いろいろありすぎて、考えただけで楽しくなる。
「そういえば、高津くんはなにかやりたいこと、ある?」
すると高津くんは、少し考えて
「そうだなー、俺は今の生活のままで、きさらと仲良く暮らせたらいいや。今が満足」
まさかの無欲!
仕方がないので、私が高津くんの分まで欲張って暮らそうと思う(ぼそ