『佐久間ダム第一部』復元DVD発売!
1954年、岩波映画製作所が制作した『佐久間ダム第一部』が5月28日、DVDで発売となります。この映画のネガ原版は総集編制作のために切り刻まれてしまい現存しません。当時、記録映画では稀な300万人の観客を動員したという岩波映画製作所の代表作を、少しでもいい状態で残しておきたいという思いから、昨年 IMAGICA Lab. の協力により、記録映画保存センターが所有する総集編の35mmネガと神戸映画資料館に所蔵されていた上映用の16mmプリントを組み合わせて復元作業を試みておりました。
この度、株式会社アイ・ヴィー・シーのお力で商品化されることにより、一般の方々にもご覧いただける運びとなりました。リーフレットには、一橋大学・町村敬志先生の佐久間ダムに関する解説や、IMAGICA Lab.による復元に関する技術解説も掲載されています。貴重な映像資料とし、もしくはマニアックなお宝DVDとして、ぜひお手元においていただけると幸いです。
<佐久間ダム 第一部 2K修復版DVD 詳細>
映画の仕事『スズさん』vol.1 プロデューサー・村山英世
「プロデューサーの仕事」 村山英世
映画のプロデューサーの仕事は、企画を立てることから始まります。この企画は、2019年12月に東京大学吉見俊哉教授が学会で、昭和のくらし博物館館長・小泉和子さんから「家庭の家事」を撮影した30年前のフィルムを保存できないかと相談を受けたことがきっかけでスタートしました。その後、吉見先生から記録映画保存センターへ相談があり、12月末、小泉家の押し入れにあった16ミリフィルム10時間分の寄贈を受けることとなりました。
元NHKのディレクターだった大墻敦さんにこの話をしたところ、小泉家のファミリーヒストリーと織り交ぜて構成すれば面白い作品ができるのではないかと話が進み、この企画に賛同した資料映像バンクの山内隆治さんと3人で劇場公開できるドキュメンタリー映画を製作することが決まりました。そのため、今回の映画のプロデューサーは3人です。これまでの経験を生かして脚本・監督・撮影を大墻さんが、制作費の管理等製作事務面を私が、資料映像探しを山内さんが担当することとなりました。
撮影はコロナ禍の2020年7月から開始し、フィルム寄贈受けてから1年後の2021年3月には録音作業も終わりました。映画完成後のプロデューサーの仕事は、上映展開です。4月にはまず映画関係者ための試写会を開催しました。そこで横浜シネマリンの八幡代表からお声がけをいただき、最初の劇場公開が決まりました。ちなみに、映画の中に出てくる横浜大空襲のあった時期に合わせての公開となりました。公開決定後は、一人でも多くの方々に足を運んでいただけるよう、神奈川を中心とした新聞社やテレビ局等のメディアへ向けた広報、宣伝活動を展開しました。
今回、3人のプロデューサーがそれぞれのキャリアを生かすことができたかと思います。しかし、映画は作っただけでは終わりません。多くの人に見ていただき、最終的に製作費を回収するまでがプロデューサーの仕事となります。
<横浜シネマリン・アクセス>
5月22日(土)〜6月4日(金) 毎日午前10:00〜の1回上映となります。
<ドキュメンタリー映画「スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜」>
『スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜』公開
横浜シネマリンにて、私たちの団体が制作したドキュメンタリー映画「スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜」の上映がスタートしました。初日からたくさんの方々に足を運んでいただきました。
各新聞の神奈川版、テレビ等で紹介のお陰もあり、映画館のほうへも多数のお問い合わせをいただいるようです。受付は9時半〜となりますので、お席が心配な方はその頃を目指してお越しください。
初日は、大墻敦監督の舞台挨拶もありました。横浜大空襲を体験したスズさんと同世代の方々もお見えになり、監督に声をかけられていました。引き続き、ご来場をお待ちしております。
<横浜シネマリン・アクセス>
5月22日(土)〜6月4日(金) 毎日午前10:00〜の1回上映となります。
<ドキュメンタリー映画「スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜」>
『スズさん-昭和の家事と家族の物語』特別試写会
5月22日(土)から、横浜シネマリンで 私たちの団体が制作しました『スズさん-昭和の家事と家族の物語』の上映がはじまります。それに先立って、5月11日(火)、関係者に向けた特別試写会を開催しました。
「横浜の空襲を記録する会」のメンバーの方々や、地元マスコミ関係者をお招きしての上映会は、歴史ある横浜市開港記念会館の大会議室をお借りして、古き良き横浜ムードのなかで行われました。映画の中で再現されている、昭和20年5月29日の横浜大空襲では、上映会場の周りも一面焼き尽くされたのですが、この建物は焼け残りました。
そんな中での上映は、不思議な映画鑑賞体験をもたらしてくれました。観客の皆さんの評判も上々で、シネマリンでの上映にも期待がふくらみます。ぜひ、ご覧いただければと思います。 by 村山
ドキュメンタリー映画
「スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜」 2021年 86分
◆ 2021年5月22日より 横浜シネマリンにて公開
5月22日(土)〜6月4日(金) 午前10:00〜の回となります。
ETV特集「映画監督 羽仁進の世界」
新型コロナ感染拡大防止のため、記録映画保存センターもテレワークに入っております。ここで立ち止まり過去を振り返り、これからを考えるいい機会ととらえています。
そんな中、当センターの代表でもある羽仁進監督を紹介するテレビ番組が放送されます。是非ご覧いただければと思います。
<絵を描く子どもたちより>
「映画監督 羽仁進の世界
〜すべては“教室の子供たち”からはじまった〜」
放送日 2020年5月9日(土)NHK Eテレ 23時00分~23時59分
再放送 2020年5月14日(木)午前0時~1時(水曜日深夜)
制作:ドキュメンタリージャパン プロデューサー:牧野望 東野真 橋本佳子
ディレクター:平田潤子 撮影:山崎裕 高野大樹 録音:森英司 編集:鈴尾啓太
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/LXV7QMLQ17/
<教室の子供たち・撮影風景>
私たちも撮影協力させていただきました。羽仁監督の初期の代表作品「教室の子供たち」「不良少年」などの台本類からは思わぬ発見もありました。 by村山
<当時の販売記録>
ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金
政府からの外出自粛要請が続く中、閉館の危機にさらされている全国の小規模映画館「ミニシアター」を守るため、映画監督の深田晃司・濱口竜介が発起人となって有志で立ち上げたプロジェクトです。
このムーブメントをきっかけにミニシアターへの想いが集まり、コロナ禍収束後には再びミニシアターに足を運ぶ動きが生まれること、そしてその先の未来まで創ることへと繋げていけたらと願っています。
この基金は、 緊急支援策です!
未来へつなごう!!多様な映画文化を育んできた全国のミニシアターをみんなで応援
ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金