「たのしい科学」体験授業
今日は、中学校の理科の先生たちをお招きして岩波映画製作所制作の「たのしい科学」を使った授業を体験させていただきました。会場はCM制作会社21コーポレーション会議室です。中学2年生が実際に行っている「ものの燃える速さ」について、DVDとプリントを交互に使いながら、現場の先生がわかりやすく説明してくれます。炭にマッチで火をつける実験も実際に行いました。なるほど~、理数系のまったく苦手な私もちゃんと理解でき、なんだか得した気分です。1950年代後半から60年代にかけて作られたたのしい科学シリーズが、今の教育現場で活用されているとは驚きですが、当時制作に携われた牧衷さんのお話によると、基本原理のみをテーマにしたこのシリーズは、今でも充分使える教材なのだそうです。実際体験させてもらうと納得がいきます。これらの貴重な科学映画をもっと教育現場に活用しやすくしていけないか、今後の課題にしていきたいと思います。でもなんといっても、この先生方の熱意と熟練した指導抜きでは、この授業は成立しないなぁとも強く感じました。
映像アーカイヴの未来
東京国立近代美術館フィルムセンターで開催されたアーカイブのシンポジウムに行って来ました。会場は満席で、美術館の学芸員、 現像所の技術者、劇映画のカメラマンなど、よく知る人の姿もありました。10年近く前のシンポジウムに参加した時と比べると、アーカイブの認知度も高まり、データベースの構築も各機関かなり進んでいることがうかがえます。一方で、フィルムの劣化や、メディア変換の度にかかるコストの問題については、国内外問わず深刻さが増しているようです。こういうシンポジウムでいつも思うのは、アーカイブ業務の重要性がどんなに認められても、資金と人材がなければ何もできない、ということです・・・。画像は日映アーカイブ林さんです。このシンポジウムでこんなにうれしそうに記念撮影する人もめずらしいと思い載せてみました。
フィルム倉庫
先日、横浜にあるヨコシネD.I.Aにお邪魔しました。大正時代に横浜シネマ商会として創立した歴史ある会社です。現像所脇にある倉庫には、フィルム缶が所狭しと並べられていました。とはいっても、ヨコシネさんはここ4~5年で約6000本のフィルムを制作元へ返却。残り5000本ほどとなっているそうです。この整理業務には、古い作品についても取引先についても詳しい元営業担当のOBの方があたられていて、作業着姿でフィルム缶を倉庫から出しては、一缶ずつ錆落としをしていく光景などが見受けられました。あぁ、こういう方々でないと作業はなかなか進まないだろうなぁ、と強く感じた次第です。この整理業務なくして、オーファン(孤児の意)フィルムを救うことはできません・・・。
新聞の反響
10月25日に掲載され朝日新聞の記事は思わぬ反響があり、映像業界、研究者、教育関係者、その他多方面から応援のメッセージをいただきました。岩波映画製作所OBの方から、ぜひなにか協力したいという心強いお電話もいただきました。突然の来訪者も相次ぎ、新聞記事を片手にフィルム倉庫の営業があったかと思うと、中学の先生がいらっしゃって岩波映画制作「たのしい科学シリーズ」が授業でいかに役立つか説明してくださったりと、こちらも勉強になりました。 皆さまの声を今後の活動に役立てたいと思っています。画像は、事務局長の家庭菜園で収穫されたキャベツです。無農薬なので虫食いの跡がありますが、とても大きくて立派です。新聞記事のコピーと一緒に飾ってみました。
朝日新聞
10月25日朝日新聞夕刊一面に「戦後の記録映画残せ」という記事が掲載されました。保存センターの設立、オーファン(孤児)フィルムの現状、岩波映画作品の東大と藝大への寄贈等、詳しく書かれています。この記事の担当記者徳山さんは、関係者が続けてきた研究会にも毎回参加されるなど、時間をかけ熱心に取材されていました。これを機に、多くの方々に記録映画への関心を持っていただければと思います。尚、2月14日東京大学福武ホールにて開催予定の記録映画の上映会とシンポジウムにつきましては、詳細が決まり次第ホームページにてお知らせいたします。