8月16日に東京地裁において、作花弁護士・大村弁護士が代理人となった自由面会交流権訴訟が行われました。
この訴訟は、現行の民法では「面会交流について話し合うことができる」とされているため、家庭裁判所で紛争になりやすい事案です。
(それを裏付けるかのように、面会交流調停の申立件数が年々増加しているのはそのためです。)
さて、そんな中面会交流の調停を含めた親権制度の改正は、慎重(ブログを読む限りでは現行維持を希望)されている方もいらっしゃいます。
そんな中、目に留まったブログがありましたのでご紹介をしたいと思います。
概要をお話をすれば、紹介したブログ執筆者の方は配偶者(夫)の不貞行為が原因で離婚をされた方のようです。
不貞行為をされた被害者=不貞行為を行った加害者とは共同養育ができない。
故に、単独親権を維持してほしい。
といった内容で纏められています。
紹介したブログには様々な論点があるのですが…
このブログを執筆された方は、不貞行為は女性が被害者と言った前提でお書きになられているようです。
1点目:不貞行為は、女性が被害になることもあるし男性が被害者となることもある。
ブログで気になったことは、不貞行為=女性が被害者
と定義づけているところが大変気になりました。もちろん、ブログに執筆されている内容が事実であれば傷つくのは理解できますが、不貞行為をした→子供に悪影響を及ぼすというのは早計です。夫婦間のコミュニケーションがうまく取れず、不貞行為になってしまったという事例もあるからです。
母親側が不貞行為を働き、親権を取得するために熊田曜子氏のように夫へDVを仕掛ける事案も後を絶ちません。
2点目:自分の体験が必ずしも人と同じではないこと
ブログを執筆された方は、自分の母親も不貞行為をされた→面会交流を設定するのが苦痛だった。と主張されています。それを裏付けるかのように、コメント欄に「不貞行為は夫婦間の問題。子どもとは離別しても面会させるというのは離婚問題が絡み負担の大きい問題」といった趣旨が書かれています。母親側が不貞行為を行い、子どもは母親に連れられ別居→子供は母親と不貞行為の相手と同居と言ったケースもあります。離婚には様々な形があり、自分は不倫された被害者です→不倫した夫と関わりたくないから単独親権です。という主張は一方的な主張という印象を持ちます。
3点目:子どもの意向が一切書かれていないこと
一番の問題点は、母親側からの意向はしっかりと書かれているのですが、子どもの気持ちというものが紹介したブログから伺い知ることができません。母親の気持ちと子どもの気持ちは必ずも一緒とは限りません。
今回の自由面会交流権訴訟は、子どもが看護親の意向を伺わなくても、面会交流ができる法制度にしようといった目的もあります。
4点目:面会交流の実情はもっと根深いこと
今日紹介したブログでは、「面会交流は裁判所で決定したら必ず履行しなければならないもの」といった趣旨の主張をされています。面会交流が実施されず間接強制の申立・面会交流の不履行による慰謝料請求の訴訟が年々増加傾向していることについてはどのように認識されているのでしょうか。
面会交流は必ずしなければならないものと定義されていることに違和感を覚えてしまいました。
最も気になったのは、取り上げたブログ団体は「子どもたちの心を考える」と称しているのですが、子どもの気持ちが反映された面会交流の履行をしようとしていないことです。他の記事も拝見したのですが、母親側の気持ちはしっかりと書かれているのですが、葛藤の中で離婚しても、別居親と子どもがどうやってつながっていくかということは一切書かれていないことです。
これでは、子どもたちの心を考えているとは考えにくいのですが、いかがでしょうか。
単独親権が望ましいという考えがあることは承知しています。自分の経験=他の人も同じと一括りにして単独親権が望ましいというのは、連れ去られた父親・母親(近年では母親が連れ去り被害者となるケースが増加)・女性側の不貞行為で離別させられた(別居年数が一定程度あれば判決で離婚ができる)人たちの傷に塩を塗る行為だと私は捉えております。
8月19日に更新されたことを受けて
ブログを更新した翌朝、更新がなされており「離別した親に面会させないことはエゴである。しかし、今できることを一生懸命していきたい。」といった内容もブログが投稿されていました。これを見ると、「理由があれば面会交流を拒んでもいい。一生懸命育てていると言えば、面会交流が拒める。」といった悪しき例を作るものです。本ブログから、抗議します。