9月前半は少しペースが上がって、3本の劇場映画を観ることができた まだまだ秀作は少ないか

 

ブレット・トレイン(126分・米・日・西・2022)
ジュラシック・ワールド 新たなる支配者(147分・米・2022)
地下室の変な穴(74分・仏・ベルギー・2021)

 

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

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ブレット・トレイン(126分・米・日・西・2022) ⇒原作は日本の小説家・伊坂幸太郎(1971~・千葉県松戸市出身)の「マリアビートル」(2010) 伊坂の小説は日本で数多く映画化されているが、本作は米国ハリウッドで製作された 監督は「デッドプール2」(120分・米2018)のデヴィッド・リーチ(1975~・米ウィスコンシン州出身)で、主演は大物俳優のブラッド・ピット(1963~・米オクラホマ州出身) 原作小説の登場人物はすべて日本人だが、本作では米国人、日本人、中国人、ロシア人などと多国籍化 アクション・コメディ・スリラー作品としてB級感溢れる映像を楽しむにはもってこい リーチ監督自身が元スタントマンだけあって、狭い列車の中を縦横無尽に使ったアクションは見物 撮影は2020年10~11月に行われた模様 新型コロナウイルスによる渡航制限などのため、残念ながら日本でのロケ撮影はなかったようだ ロサンゼルス市内でのロケ撮影、日本で撮影された映像などを使ったソニー・ピクチャーズ・スタジオ(米CA州ロサンゼルス郡カルバー・シティ)のセットでの撮影などを駆使 エンド・クレジットにはスタントマンが数10人、VFX担当として200~300人の名前が列挙されていた 原題も"Bullet Train"=「新幹線、弾丸列車」 昔日本の漫画では弾丸のことをビュレットなどと書いてあるものがあって、米国でそう発音したら「ブレット」だと修正された記憶がある 「ビュレット」は"burette"であって、化学分析の際に滴下した液の容量を秤量するための実験器具のことらしい

 

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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者(147分・米・2022) ⇒日本公開からかなり時間が経ったが、やはり観ておかなければと思った 本作は「ジュラシック・パーク」「ジュラシック・ワールド」シリーズの第6作目で最終章・完結編とのこと 最後の作品だからか上映時間は2時間半弱とやや長尺 第1作目「ジュラシック・パーク」(127分・米・1993)と第2作目「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」(129分・米・1997)は、いずれもマイケル・クライトン(1942~2008・米シカゴ出身)の同名原作小説をスティーヴン・スピルバーグ(1946~・米オハイオ州シンシナティ出身)監督が映画化 第3作目以降は原作の発想を生かしながらも独自路線のようだ 物語はややマンネリ化してきている感じがしたが、まさに現実に生きているような、数々の恐竜の自然な姿・映像には相変わらず感動 雪景色の中を恐竜が自由に動いているのにはやや驚いたが、マルタ島の街中で恐竜がバイクに乗った主人公をチェイスするシーンは斬新 撮影は2020年2月から開始されたが、途中新型コロナウイルス感染症の流行で何度か中断の上、秋には撮影を終えたようだ 恐竜がすでに世界中で人類と共生しているという前提なので、ロケ地は世界各地にまたがり、米国カリフォルニア州サンフランシスコ・ハワイ州オアフ島・ジョージア州アトランタ、マルタ共和国(マルタ島)、カナダ、英国、イタリアなど スタジオは英国のパインウッド・スタジオ(バッキンガムシャー州アイバー・ヒース、ロンドン西方郊外・ヒースロー空港の近く)とカナダのブリッジ・スタジオ(ブリティシュ・コロンビア州バーナビー、バンクーバーの隣町)が使用されたらしい 原題は"Jurassic World: Dominion"で、邦題は妥当か

 

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地下室の変な穴(74分・仏・ベルギー・2021) ⇒この不思議なタイトルの作品は、フランスのカンタン・デュピュー(1974~・パリ出身)監督が脚本・撮影・編集も兼ねて製作したもの 彼の作品が日本で公開されるのはこれが最初らしいが、これまで奇想天外な設定の物語をフランスの一流俳優を起用して数々映画化しているそうだ 郊外の一軒家の地下室にある穴に入ると「時間が12時間進んで、肉体が3日分若返る」という奇抜な設定から巻き上がる騒動を描く 主な出演者が中高年の俳優4人だけで速めの展開というフランス映画らしい作品だが、観客にはいろいろなことを考えさせる 人間というものは意外と単純で、女も男も若返りに執着するものだと感じさせる 女は美貌とスタイル、男はやはり精力が一番の課題らしい 原題は"Incroyable mais vrai"(仏)="Incredible but true"で、直訳は「信じ難いが本当」か

8月は終盤になってやっと3本の劇場映画を観ることができた

 

サバカン SABAKAN(96分・日・2022)
アキラとあきら(128分・日・2022)
NOPE/ノープ(131分・米・2022)

 

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

 

192d10035d825359サバカン SABAKAN(96分・日・2022) ⇒美しい大村湾に面した長崎の田舎町に住む2人の小学5年生が繰り広げる、誰にでも懐かしさと愛おしさを思い起こさせるひと夏の物語 「スタンド・バイ・ミー」(89分・米・1986)を彷彿とさせる 少し話はそれるが長崎県は大村湾をぐるりと囲んだ地域だと筆者は思う さて本作は少年主人公・久田孝明が成長した現在の姿から始まる 現在の久田は草彅剛(1974~・愛媛県三瓶町現西予市生まれ・埼玉県春日部市出身)が演じる そして1986年夏の回想に移り、境遇がかなり違う久田と竹本の2少年の話が展開 草彅は最終盤にしか再登場しない(ナレーションはやっているかも) 少年2人の演技も上手いが、久田の両親役の尾野真千子(1981~・奈良県西吉野村現五條市出身)と竹原ピストル(1976~・千葉県出身)の演技が秀逸で、長崎弁の掛合いは見物 昔の長崎弁では女が男に向かって「タマ潰すぞ」などと平気で言っていたのだろうか 本作は2021年夏に撮影され、ロケ地は大村湾に面した長崎県長与町、時津町などのようだ しかし、駅の場面は島原鉄道の古部駅(長崎県瑞穂町)らしくここは島原半島北部なのでNY有明海に面している その他西海市や長崎市でもロケ撮影が行われた模様 監督・脚本は元お笑い芸人の金沢知樹(1974~・長崎県出身)だが、故郷が長与町ということで彼の少年時代の自伝ではないかという声もある

 

47ddd1c41a298fc9アキラとあきら(128分・日・2022) ⇒池井戸潤(1963~・岐阜県加茂郡出身)の同名原作小説(2017・文庫)の映画化 原作小説は元々2006年から2009年にかけて月刊誌に連載されたもの 2017年にTVドラマ化され、今回改めて劇場映画化された模様 全く生立ちの違う2人の少年が東大卒業後大銀行員となり出世を競うが、お互いに挫折を経て2人共通のM&Aに携わり苦境を突破するという痛快な話ではある だだし時代設定が旧いので、現在の銀行は役割分担が進んでいて、大型M&Aは投資銀行、日本では証券会社などが担当していることから若干違和感があった 撮影は2021年7~8月に東京都、横浜市、さいたま市、千葉市、静岡県伊東市・東伊豆町・沼津市などで行われたようだ

 

1cb66f1684d4f9ccNOPE/ノープ(131分・米・2022) ⇒「ゲット・アウト」(103分・米・2017)で一気に脚光を浴びたジョーダン・ピール(1979~・米NY市出身・黒人)が脚本を書き監督した作品 「アス」(116分・米・2019)に次ぐ3作目だが、次々と社会課題や映像技術に挑戦しながらも、映画愛に満ちている作品を創作するのは流石 一言でいえば、本作はUFO西部劇的大スペクタクルで、恐ろしげな通奏低音と共に展開される映像は見物 ただ主観的には「ゲット・アウト」ほどの驚きはなかったか 主役に「ゲット・アウト」と同じダニエル・カルーヤ(1989~・英ロンドン出身・黒人)を起用 馬に乗る黒人は映画・映像の歴史的には意味があるそうだ IMAXカメラでの撮影を駆使し、撮影監督には「ダンケルク」(106分・英・米・仏・蘭・2017)や「TENET テネット」(151分・米・英・2020)でも活躍したホイテ・ヴァン・ホイテマ(1971~・スイス出身・蘭国籍)を起用 IMAXとは70ミリ・フィルムを横に使ってフィルム上のコマ(フレーム)を大きくして、それだけ高精細にした撮影方法 エンド・クレジットにはアーティスト名が100人程度登場するので、描かれた映像が大々的に活用されているものと思う ロケ地は米国加州LA地域一帯で、サンタ・クラリタの牧場、ハリウッドの街中、バーバンクの電気店などか 原題も"Nope"=「Noのスラング的言い方」で、「ムリムリムリ」という感じらしい

7月10日(日曜)~7月30日(土曜)の間には僅か1本の劇場映画しか観られなかった 外は猛烈に暑いし、オミクロン株は猛威を振るっているし、7月30日(土曜)には甥っ子の挙式があったので、最近はもっぱら再びの自粛生活 本件はかなり前の話になったが、やっとアップできた

 

★リコリス・ピザ(134分・米・2021)

 

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

 

133575cadb4d8b51★リコリス・ピザ(134分・米・2021) ⇒舞台は1973年の米国カリフォルニア州サン・フェルナンド・バレー 携帯電話もスマホもSNSもない世界 サン・フェルナンド・バレーはロサンゼルス郡北西部の谷あいにある地域で、いくつかの市が含まれる 15歳の高校生ゲイリー・ヴァレンタインが10歳年上・25歳の写真撮影アシスタントのアラナ・ケインに一目惚れ ゲイリーは舞台子役としても活躍しており、アラナは写真撮影のためにたまたまゲイリーの通う高校を訪れたもの 若い男・少年は得てして年上の女性に憧れ恋するものだ そこからやや波瀾万丈・ハチャメチャなひと夏が始まるという青春群像劇でもある 1970年代に米国の学生生活の一端を味わった筆者には共感できる部分もかなりあった
米国映画産業関係者にとっては、本作はとてもとても映画愛に溢れたものらしい 全編にわたってオマージュやパロディや監督人脈による俳優起用などなど、見所満載のようだ 本作の監督はポール・トーマス・アンダーソン(1970~・米加州LA郡サン・フェルナンド・バレー出身)で、脚本・製作・撮影も兼ねる 彼はPTAと呼ばれ世界三大映画祭すべてで監督賞を受賞している 米国で3文字で名前を呼ばれることは、著名で尊敬され愛されていることだそうだ PTAはゲイリーに、盟友で名優のフィリップ・シーモア・ホフマン(1967~2014・米NY州ロチェスター出身)の息子クーパー・ホフマン(2003~)を起用 またアラナには、3姉妹で構成するポップ・ロックバンド「ハイム」の末娘アラナ・ハイム(1991~・サン・フェルナンド・バレー出身)をあてた 両者とも映画初出演のようだが、主役をやり切っている PTAは過去にハイムのMVや短編ドキュメンタリーを手がけていた ハイムは日本公演も何度か実施しているようだ またアラナの姉2人と両親も本作に出演しており、現実と同じユダヤ系のケイン家族として登場
オマージュやパロディも数多(あまた)で、まずゲイリーのモデルは映画・TVプロデューサーのゲイリー・ゴーツマン(1952~・LA郡出身)とのこと 彼は映画「羊たちの沈黙」(118分・米・1991)や「フィラデルフィア」(125分・米・1993)で製作総指揮を執っている 一時は子役としても活躍していたようだ 1998年からはトム・ハンクス(1956~・加州コンコード出身)と共同映画プロダクション会社を経営 次にウイリアム・ホールデン(1918~1981・米イリノイ州出身)らしき役をショーン・ペン(1960~・LA郡サンタモニカ出身)が、サム・ペキンパー(1925~1984・加州フレズノ出身)監督らしき役をシンガーソングライターのトム・ウェイツ(1049~・LA郡ボモナ出身)がそれぞれ演じている
さらに映画プロデューサーのジョン・ピーターズ(1945~・サン・フェルナンド・バレーのヴァン・ナイス出身)が実名のまま登場し、その役をブラッドリー・クーパー(1975~・米ペンシルベニア州フィラデルフィア出身)がカバー ピーターズは1970年代に歌手のバーブラ・ストライサンド(1942~・米NY州NY出身)と交際しており、彼女が主役・主題歌歌手を務めた映画「スター誕生」(140分・米・1976)の製作を担当した クーパーは3度目のリメイクである映画「アリー/スター誕生」(135分・米・2018)を監督(兼脚本・製作・主演)しており、その製作にもピーターズが加わっているという熱の入れよう このあたりがピーターズが実名で登場している理由かもしれない その他新進若手米国監督やレオナルド・デカプリオ(1974~・LA出身)の父親が出演するなどなど、PTA人脈の広さを感じさせ、ハリウッド映画人にとっては話題に事欠かないようだ
本作の撮影は2020年8月から11月にかけて、サン・フェルナンド・バレーを中心としたロサンゼルス郡一帯で行われたようだ 近所に丘陵もゴルフ場も多くある 原題も"Licorice Pizza" このタイトルは、1969年から1980年代後半にかけてカリフォルニア州南部で店舗を展開していたレコード販売チェーン店の名称から取られたものらしい 店名のイニシャルはLPとなり、LPレコードを含蓄しているとのこと

6月26日(日曜)~7月9日(土曜)の間は3本の劇場映画を観た 話題作ばかりだったが、音楽にも興味がある筆者にとっては「エルヴィス」が感動的だった

 

・PLAN 75(112分・日・仏・比・カタール・2022)
・ベイビー・ブローカー(韓・130分・2022)
★エルヴィス(159分・米・2022)

 

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

 

c455209315801995・PLAN 75(112分・日・仏・比・カタール・2022) ⇒後期高齢者に近付きつつある筆者にとっては身につまされる作品だった 製作した監督は早川千絵(1976~)で、初長編作品である本作で第75回カンヌ国際映画祭(2022)「ある視点」部門カメラ・ドール特別表彰を受賞 本作が誕生した背景について、監督は「自己責任論がはばをきかせている日本の社会において、社会的に弱い立場にいる人々への風当たりが強く、どんどん不寛容な社会になっていっていると感じていました」と語っている 主演は「男はつらいよ」シリーズ(1969~2019)のさくら役で知られる倍賞千恵子(1941~・東京都豊島区西巣鴨生まれ・北区滝野川育ち) 撮影ロケ地は神奈川県と東京都のようだ 主人公が住んでいるとされた住宅は、神奈川県住宅供給公社の二宮団地(二宮町)だったらしい

 

5d983646cad545ef・ベイビー・ブローカー ⇒6月末の暑い暑い京都で鑑賞 日本でも熊本県に実在するが、韓国の「赤ちゃんボックス」にまつわる悲喜劇・サスペンスを映画化 車と高速鉄道でソウルと釜山を往復するので、ロード・ムービーでもある 監督は「万引き家族」(120分・日・2018)で第71回カンヌ国際映画祭(2018)でパルム・ドールを受賞した是枝裕和(1962~・東京都練馬区出身)、主演は「パラサイト 半地下の家族」(132分・韓・2019)で主演したソン・ガンホ(1967~・ 韓国慶尚南道金海市出身)という強力なコンビ ソンは本作により第75回カンヌ国際映画祭(2022)で男優賞を受賞 撮影は2021年4月~6月に韓国ソウル・釜山一帯で行われた 英語原題は単に"Broker"

 

6ea38ccfdabd9032★エルヴィス ⇒冒頭まずラインストーンできらびやかに縁どられたワーナー・ブラザーズのロゴに度肝を抜かれた そのまま、多分エルヴィスの華麗な雰囲気を伝えるような、派手なオープニングへ 本作はもちろんエルヴィス・アーロン・プレスリー(1935~1977・米国ミシシッピ州生まれ・テネシー州メンフィス出身)の伝記的な物語 エルヴィスは世界史上最も成功したソロ・アーティストであり「キング・オブ・ロックンロール」と称される エルヴィス役として主演したオースティン・バトラー(1991~・米国加州アナハイム出身)が素晴らしく、ほぼ全編エルヴィスの楽曲を自ら歌唱し演技しているらしい 黒人が多く住む場所で育ったエルヴィスはゴスペルやカントリーを吸収した上で、彼自身のロックンロール音楽を創り上げたようだ エルヴィス・ファンはもちろん音楽に少しでも興味がある方には必見だと思う 監督は「ムーラン・ルージュ」(127分・豪・米・2001)や「華麗なるギャッツビー」(143分・米・豪・2013)でキラキラの映像を製作したバズ・ラーマン(1962~・豪州NS州シドニー出身) エルヴィスの強欲マネジャー(トム・パーカー大佐)役に名優トム・ハンクス(1956~・米国加州コンコード出身)を起用し、彼に作品中のMC役を任している ハンクスは、多分役に合わせるためだろうと思うが、醜く太り二重顎になっていた 撮影は2020年に豪州クイーンズランド(QLD)州のゴールドコーストにあるビレッジ・ロードショー・スタジオで主に行われたようだ 撮影のため3月に一度米国から渡豪したハンクス夫妻がコロナ陽性になり撮影中断したが、9月に撮影再開されたという情報がある 原題も"Elvis"

6月19日(日曜)~6月25日(土曜)の週は3本の劇場映画を観た すべて邦画だったが、結構面白かった

 

・峠 最後のサムライ(114分・日・2022)
・シン・ウルトラマン(112分・日・2022)
・バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(119分・日・2022)

 

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

 

46da04c01c4c38fb・峠 最後のサムライ(114分・日・2022) ⇒司馬遼太郎(1923~1996・大阪市南区・現浪速区出身)のベストセラー歴史小説「峠」(1968)を単独で初めて映画化 「蜩の記」(129分・日・2014)を製作した小泉堯史(こいずみ たかし:1944~・茨城県水戸市出身)が監督と脚本を兼任 そして主役の河井継之助(1827~1868)役には「蜩の記」と同じ役所広司(1956~・長崎県諫早市出身)を起用 河井は大政奉還後の戊辰戦争(1868~1869)時には越後長岡藩の家老上席だった 彼は開明的であり藩政改革に取り組むとともに、戊辰戦争では譜代大名藩でありながら非戦武装中立を保ち、藩民の暮しを守ろうとした 小泉は長く黒澤明(1910~1998・東京都品川区出身)監督の助監督を務めたので、今回も黒澤組ゆかりのスタッフの多くが集結したようだ また本作も昔ながらのフィルムで撮影したとのこと 撮影は2018年9月~12月に行われ、ロケ地は長岡市・小千谷市などの新潟県各地に加え、京都市(西本願寺)、茨城県つくばみらい市(ワープステーション江戸)そして長野県 当初2020年9月に劇場公開予定だったが、コロナ禍のため3回延期された

 

403401a935b5175c・シン・ウルトラマン(112分・日・2022) ⇒いろいろな怪獣が頻繁に普通に出没する日本が舞台 政府に防災庁・禍威獣(かいじゅう)特設対策室(禍特対)が設置されている 特撮の禍威獣が次々登場し、社会がそれらと共生しているような設定は面白い 救世主として胸にカラー・タイマーがないウルトラマンが登場 その分スマートでシャープでスタイリッシュなフォルムになっている よく分からなかったが、カラー・タイマーの表示がないのでエネルギーの残量に応じて体色が変化するようになっているようだ 技術的には特撮映像にCG・VFXがふんだんに盛り込まれており、撮影・ポスプロ現場は大変だったろうと思う 本作はTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(1995~1996)の原作・監督でよく知られる庵野秀明(1960~・山口県宇部市出身)が盟友樋口真嗣(1965~・東京都新宿区出身)と組んで製作 2人は「シン・ゴジラ」(119分・日・2016)と一緒の組合せだが、「シン・ゴジラ」では庵野が総監督・脚本、樋口が監督・特撮監督を担当したのに対し、「シン・ウルトラマン」では樋口が監督、庵野が脚本という分担 これは庵野が他の仕事で忙殺されていたためらしい 主演は斎藤工(1981~・東京都港区出身)で、バディが長澤まさみ(1987~・静岡県磐田市出身) 撮影は2019年秋に終了していた模様だが、コロナ禍のため「トップガン マーヴェリック」(131分・米・2022)と同様、今年まで劇場公開が延期された ロケ地は茨城県水戸市、神奈川県横浜市・平塚市、千葉県千葉市・市原市、山梨県、群馬県、栃木県、東京都千代田区・台東区など 特にウルトラマンとメフィラスが話し合うシーンを撮影した居酒屋「浅草一文」(東京都台東区)は聖地巡礼で有名になったそうだ また自衛隊も撮影に全面協力した模様 さらに主題歌が米津玄師(1991~・徳島市出身)の「M八七」であることにも注目 映画公開日と同じ5月13日に配信開始そして18日にニュー・シングルとして発売されたが、相変わらず転調の多い複雑で難解な楽曲

 

96624e6168ec97e3・バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(119分・日・2022) ⇒こう言っては失礼かもしれないが、意外と面白かった 種々雑多な多くの伏線が前半に提供されやや消化不良に陥っているところで、後半それらが次々と解明されスッキリするというところは古典的な物語の展開で割といい 横溝正史(1902~1981・神戸市出身)の推理小説に登場する金田一耕助のようなボサボサ髪の探偵(犯罪捜査コンサルタント)が主人公 元医者のバディーがいるという設定は有名な推理小説に似ている アーサー・コナン・ドイル(1859~1930・英国出身)著のシャーロック・ホームズ・シリーズ長編小説の一つ「バスカヴィル家の犬」(1901・英)の翻案である 2019年のフジTV・月9連続ドラマの映画化だそうだ 主人公の誉獅子雄(ほまれししお)役をディーン・フジオカ(1980~・福島県須賀川市出身)が、バディの若宮潤一役を岩田剛典(1989~・名古屋市出身)が演じる 撮影は昨年2021年前半に行われたと推定され、ロケ地は各地にまたがっており、物語の中心となる屋敷は松山市にある萬翠荘で、その他愛媛県、東京都中央区・台東区、群馬県、千葉県、埼玉県などのようだ