AIが論文や小説を書く時代です。
AI占い師は、人間の占い師に取って代わる存在となるでしょうか?
わたしは、ならないと思います。
その理由についてお話したいと思います。
先日、桜野カレン先生から「AIにルノルマンを教えてる」という話を聞いて、わたしもさっそくチャットGPT-3(アメリカのオープンAI研究所のシステム)を試してみました。
チャットGPT-3は、今おそらく世界で一番頭の良いAIで、どんな質問にも、なめらかで丁寧な日本語で答えてくれます。
辞書的な知識だけでなく、新しい企画のアイデアや、クイズや小話を作ることも、会話相手となることもできます。
試しにタロット占いをしてもらいました。
これは何かの占いのコピペではなく、チャットGPT−3がカードの情報から導き出したオリジナルな回答です。各カードの意味も正確ですし、ほぼ完璧な回答じゃないでしょうか。
もう今現在、AI占い師は実在しているのですよね。
占いたい時に24時間いつでも、占いたいことを内緒で、自宅からパソコンやスマホに打ち込むだけでAIが占ってくれるのです。
ただ、ルノルマンカードやジオマンシーについてはまだ正確な情報収集ができていないようで、とんちんかんな答えが返ってくることも多いのですが、AIは質問されて情報のやりとりをするほどその分野についての知識を得て成長していくので、カレン先生が一生懸命ルノルマンカード情報を教え込んでいるので、いつかもっと正確に答えられるようになるでしょう。
AIタロット占い師、AIルノルマン占い師、AI占星術師がいれば、人間の占い師は必要なくなるのでしょうか。
AI占い師の需要はあると思います。現在のWEB上の無料占い的な位置づけで。AI占いライターもありでしょう。
WEB上の記事も今すぐにでも書けるはず。AIの制作物には著作権はないというのが現在の考え方のようですが、AIに記事を書いてもらってWEBコンテンツを作っても著作権上問題ないのでしょうか? チャットGPT-3に聞いてみたら大丈夫という回答でしたが、ほんとかしら?(詳しくは法律の専門家に聞く必要があるそうです)
けれど、ある程度以上の値段の有料占いが、AI占い師に取って代わられることはないはずです。
なぜなら、人が有料の占いをしてもらうとき、その結果だけにお金を払っているのではないからです。
「○○先生に占って欲しい」からお金を払うのです。まったく同じ結果だとしても、どこの誰とも分からない相手にお金は払いません。
「何を」占っているかより、「誰が」占っているかが大事なのです。語られる「内容」よりも、それを「誰が」語っているのかが大事なのです。
流行語になるような言葉や、名言、格言とされる言葉には、詠み人知らず、誰が語ったのか分からない場合もあります。属人性を必要としない、「内容」だけの名言もあります。
でも。
「あなたはあなたであればいい」とマザーテレサが言うから重みがあるのです。「愛あるところに人生がある」とガンディーが言ったから心に響くのです。
胸を打つのは、気の利いた、カッコイイ言葉だからではなく、その人の人生がその言葉にこめられていると感じるからです。
もっと単純なたとえば、「大丈夫」という言葉。
つらいときに、自分が信頼する人にそう言ってもらえたら、泣いてしまうかもしれません。でも、嘘つきな彼氏に「大丈夫!」と言われても全然心に響かないでしょう。
どういうシチュエーションで誰が口にしたのか。それはつまり、語る人のキャラクターで、言葉の重みが違ってくるということです。
言葉には、その人の人生がこめられているのです。
でもAI占い師には「人生」がありません。からっぽなのです。
「○○先生に占って欲しい」と心から思う相手が語る言葉は、重くて強いのです。
以前、占い師の人間性と技術どっちを重要視する?というアンケートを取ったことがあります。
7割の人が「人間性」と回答しました。
AI占い師が当たり前になっても、人間の占い師は必要とされ続ける。間違いなくそう思います。
でも、個性を持たない占い師は淘汰されていくでしょう。
占い師のキャラの違いについてもブログに書きました。
占い師としてどうすれば個性をだすことができるのでしょうか?
その人らしく生きること、それしかないと思います。
苦労人もありだし、逆にセレブ占い師もあり。オネエ占い師も、男性占い師も女性占い師も、さまざまな副業占い師も。
どんな生き方でもいい、自分の人生を生きること。生きて、つらぬくこと。
それが個性になっていくのだと思います。
占い師に限らず……。
その人の話を聞きたい。その人に言葉をかけてほしい、そう思っもらえる占い師。
それは絶対に、AI占い師ではないのです。