枇杷は甘いかスッパイか -33ページ目

枇杷は甘いかスッパイか

遠く離れた地に住む母。その介護の喜怒哀楽。

朝から大洪水。
市販の大容量の紙パンツでも、吸収できる量を超えているようだ。
施設に依頼して、尿取りパッドを買うことにした。
アサコは、もう夜中にポータブルトイレでさえも使う体力が無いのかも知れない。
確実に、いろいろな能力が落ちてきている、
とヨシトは少し悲しく思う。
 
しかし、アサコは、食べることは忘れないし、まあよく食べること。
本当に長生きしてくれそうだ。
これは嬉しいことだが、太りすぎが気になるので、小皿にして量を減らしていく予定。
 
五島列島の地図を見ていたアサコが、
「蒼い海とわたむれる。」
と言った。
ヨシトには、アサコが何を言ったのかさっぱりわからなかった。
その地図を見ると、片隅に
「蒼い海とたわむれる。」
と書いてあった。
アサコは読み直して理解したようだ。
まだまだ、言葉の理解力はあるようだ。
 
 
炊飯器の前に
「米はない。ご飯はアサコが準備する。」
と書いているが、アサコは
「米はない。ご飯はケイコが準備する。」
と読んだ。
ヨシトは大笑い。
昨日、ケイコおばさんと話した記憶が残っていたのか。
 
頭の中はもう東京も大村もない。故郷島のカクラのみ。
話はすぐにカクラでのことになる。
体力も記憶も衰えている。
仕方がないところかな、
とヨシトは寂しい気がした。
 
2016年10月、サダマツの墓参り