枇杷は甘いかスッパイか -14ページ目

枇杷は甘いかスッパイか

遠く離れた地に住む母。その介護の喜怒哀楽。

アサコは朝から独り言を言っていた。
その内容は多分、五島の故郷島のことだろう。
ポータブルトイレに久々にウ○コをしていたが、このためにベッドを出て、目が覚めたのだろうと推測する。
(←一人で起き出す筋力があったんだ! よかったよかった。)
 
朝も昼もよく食べるアサコなので、トイレには強制的に連れて行く。
それで相当に疲れるせいか、すぐにベッドに横になり寝てしまうことが多くなった。
目に見えて、筋力・体力が衰えている。
(←やっぱ、だめなのね・・・。)
 
昼寝をしていた時、ズボンの上にもう1枚紙パンツをはいていたのでヨシトはびっくり。
その紙パンツは、ヨシトが購入した紙パンツではなかった。
さては施設からちょろまかしてきたもののようだ。
(←たまたま、バッグに入ってたんだよ、きっと!)
「寒かとさ。」
とは本人の申し出。
でも、布団の中は暖かかった。
 
 
ヨシトはマーマレードを作った。
ヨーグルトに入れて、食べたら、
「こりゃ何か?」
ヨシトがマーマレードと回答したら、
「おっだ、こがんなもんは作れんと。」
とアサコは答えた。
マーマレードの味や作り方をきちんと覚えていると感心した。
(←大したもんだ!)
 
夕食もよく食べた。
トイレには自ら進んで行った。
(←大したもんだ!)
結構、歩くのも動作もスムーズだったが、紙パンツの上げ下ろしはうまくできないようだ。
(←やっぱ、今日は筋力が充実していたんだね。)
 
寝る前に、アサコはベッドからよろよろと起き出して、懸命に
「ヨシト! ヨシト!」
と呼んでいた。
不安な気持ちに陥ってしまったようだ。
しかし、ヨシトは久しぶりに、アサコが廊下を一人で歩く姿を見た。
(←今日の筋力はすごい!)
すぐに疲れるのは致し方ないが、一人で歩けるほどの体力がまだあったことを喜びたい。
 
2018年7月、みんなで『もや』に、ちゃんぽんと皿うどん